2021.7.15

パナソニック ホームズ、買取再販本腰へ、2030年に350億円

専任部署設けストック事業を加速

パナソニック ホームズは、買取再販事業に本腰を入れ始めた。子会社に専任部署を新設し、物件の買い取りからリフォーム・リノベーション、再販までをワンストップで展開。ストック事業を加速する考えだ。


買取再販事業のイメージ

同社は昨年、リフォーム、不動産各部門を再編し、新たにストック事業部を立ち上げた。グループの成長戦略の1つである、オーナーを中心とした既存住宅ストック事業の強化が目的。買取再販事業への取り組み本格化は、その一環で、2030年に350億円の売り上げを目指す。

同社がこれまでに販売した住宅などの累計棟数は約44万棟。買取再販の対象は、同社施工の既存住宅だけでなく、一般のマンション住戸(専有部)も含める。「賃貸住宅については現在検討中」(同社)という。同社オーナーサポート部門と、パナソニック リフォーム、パナソニック ホームズ不動産の3社が連携し、物件の買い取りからリフォーム・リノベーション、再販までをワンストップで行う。

買取再販事業の専任部署「住宅流通推進センター」はパナソニック ホームズ不動産の中に設置。オーナーが売却を希望している場合、この専任部署が窓口となり、住宅の買い取りや企画、メンテナンスやリフォーム、再販に対応する。買取再販のメインとなる戸建の既存住宅については従来、売買仲介が中心だった。新たなオーナーなどに必要なメンテナンスやリフォームを行ってもらうため、パナソニック リフォームを、パナソニック ホームズ不動産の売買仲介部門が紹介していたが、高い成約率には至らなかったという。このため、自社で物件を買い取り、価値向上のためのリフォーム、リノベーションを施し、再び販売する、買取再販を本格化し、ストック事業に勢いを付けることにした。

戸建てについては、同社も参加する「スムストック」査定を活用。耐用年数が異なる構造と内装・設備を分け、これまでの点検・補修やリフォームも適正に評価されるため、売主は一般的な査定よりも高い買取価格が期待できる。一方、買主も、これまでの住宅履歴などを引き継ぐことができるため、品質や長期保証が続けて受けられるなどのメリットがある。再販する住宅については「リフォーム時にパナソニックの最新の住宅部材を採用し、住宅の価値を最大限に高める」(同社)。再販する物件価格について、同社は「エリアが都市部か地方か、立地条件、土地・建物規模などにより大きな幅があるが、概ね、戸建てでは3000万円~5000万円程度と考えている」と明かす。

マンションの買い取りについては一般的な査定を活用する。

再販する物件については、戸建もマンション専有部も、リフォーム工事完成後1、2ヶ月間、周辺住民を対象とした実例見学会の場として活用する。リフォーム実例を周辺住民に見てもらうことで、リフォーム需要の喚起や、同時期に同社が建てた住宅の売却を検討している住まい手に、買取再販事業を認知してもらうためだ。買取再販を通じて良質な住宅ストックを増やすことで、「団地再生、まちの再生に広げていきたい」(同社)考えだ。

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特集:

巨大な潜在市場が動き出す

2015年のいわゆる「空家特措法」施行から6年が経過する。
国は大きく利活用と除却の二方面から、制度改正や補助事業などを通じて空き家対策を進めてきた。
発生の抑制や除去などに一定の効果が出ているが、利活用についてはなかなか火がつかなかった。
空き家問題には数多くの課題が横たわる。
今、こうしたその散在した課題を解決するサービスが続々投入されている。
さらに、コロナ禍は空き家市場にとってマーケット拡大のきっかけになる。
テレワークの普及により、多拠点居住や多拠点ワークを行う「場」として空き家に関心が高まっているからだ。
今年3月に閣議決定された住生活基本計画でも、空き家の活用を「新たな日常」に対応した新しい住まい方の実現の1つに挙げている。
また、6月18日に閣議決定された骨太の方針でも空き家について言及。
「先進的取組や活用・除却への推進等の支援」などをしながら、既存住宅(ストック)市場の活性化に結び付ける考え方を明確にした。
こうした空き家への関心の高まりを追い風に、いよいよ空き家マーケットの誕生の期待が高まる。
国が掲げる2030年に14兆円のストック市場の実現可能性が見えてきた。

目次

HTʼs eyes

土石流が人災であったとしても
大規模盛土造成地の点検スピードアップを

ストック市場のけん引役になるか
空き家ビジネス
巨大な潜在市場が動き出す

TOPIC&NEWS

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