大東建託 賃貸住宅でLCCMを実現
ライフサイクル全体でカーボンマイナスに
大東建託は、日本で初めてLCCM賃貸集合住宅を開発し、埼玉県草加市で第一号の建設に着手した。
LCCM(ライフサイクルカーボンマイナス)住宅とは、部品の製造から建築、居住段階、さらには解体時という建物のライフサイクル全般にわたるCO2排出量の収支をゼロ以下にしようというもの。環境負荷が大きいと指摘されることが多い建築分野だが、LCCM住宅が普及することで温暖化問題の解決に寄与する産業へと生まれ変われるというわけだ。カーボンニュートラル社会の実現という観点では、ZEH以上に期待度が高いと言っていいだろう。
現在、国土交通省がLCCM住宅への補助を実施しているほか、(一財)建築環境・省エネルギー機構が認定制度を行っている。こうした取り組みによって徐々に普及しつつあるLCCM住宅だが、全て戸建住宅であり、集合住宅については評価方法などが確立されていない。
こうしたなか大東建託は、賃貸集合住宅においてLCCMを実現するためのチャレンジに着手した。
全ての建設資材・材料の環境負荷を調査
バイオマスで乾燥した木材を利用
先述したように、集合住宅用のLCCMの認定基準や計算方法は確立されていない。そこで、県立広島大学生物資源科学部の小林謙介准教授に協力を仰ぎ、共同でLCCM賃貸集合住宅の開発を進めた。まず全ての建設資材・材料の製造時のCO2排出量を調査し、それをもとに製造から建築時までの環境負荷を試算。また、35年で建替えるという条件で使用時のCO2排出量、さらには解体時のCO2排出量などを計算しながら、LCCMを達成するための設計や仕様を検討していったという。
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