質を高める広葉樹の山づくりを 自然素材を生かす技にも期待
広葉樹林業は皆伐が主流
従来、広葉樹の生産については、薪炭材として利用する場合も含め、すべての木を伐採する皆伐方式が採用されるケースがほとんどであった。育成段階でも手をかけることはあまりなく、自然に任せて木が利用できる大きさになるのを待つ。スギやヒノキのように、間伐や枝打ちによって良質な木を人為的に育てようとすることは、一部の例外を除けばなかった。
そのため、建築や家具に利用できる木の出現率は決して高くなく、山の中で目星をつけて生産する場合もないわけではないが、多くは皆伐で生産した木の中に良質なものが含まれていれば仕分けし、付加価値利用に回すという方法がとられる。だが、仕分けの手間を厭い、すべてを製紙用やバイオマス燃料用のチップにしてしまうケースも多い。
もったいない話ではあるが、品質に無頓着な業者は論外として、できれば有効利用したいと思っていても、収支面からそれがかなわず、苦い思いをしながら作業している業者もいる。ここに広葉樹利用の難しさがある。
山づくりの採算確保が課題
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