YKK AP、アルミ樹脂複合窓を集約統合

高断熱窓化へのシフトを加速

アルミ樹脂複合窓を集約統合し、「エピソードⅡ」シリーズを新たに設定。従来品と同価格で断熱性能・機能性を強化することで、アルミ窓のからの切り替えを促し、高断熱窓化へのシフトを加速させたい考えだ。

エピソードⅡの採用イメージ

YKK APは、高性能樹脂窓「APW 330」や高性能トリプルガラス樹脂窓「APW 430」など、これまで樹脂窓を基軸に高断熱窓化を推進してきたが、今回、「エピソード」「エピソードNEO」などのアルミ樹脂複合窓シリーズを「エピソードⅡ」として集約統合。アルミ窓からアルミ樹脂複合窓への切り替えを促進することで、樹脂窓とアルミ樹脂複合窓の両輪による高断熱化を推進していきたい考えだ。

今回、これまでのアルミ樹脂複合窓の、「エピソード」、「エピソードNEO」、「エピソードNEO︲R」、「防火窓G アルミ樹脂複合NEO」という旧商品群を集約統合し、「エピソードⅡ」というシリーズを新たに設定した。

このエピソードⅡシリーズの中に「NEO」、「NEO‐B [高断熱]」、「NEO‐R [高強度]」、「GNEO [防火]」、「GNEO‐R [高強度・防火]」を設定。すべてのラインアップで、Low︲E アルゴンガス入りであることを標準化した。

新たにラインアップに加わった「エピソードⅡ NEO-B(引違い窓)」の断面図。ガラスを樹脂スペーサー仕様にすることで窓の室内側表面温度の低下を防ぎ、防露性能を高めた

今回の集約統合にあたっては窓のフレーム部材や部品の共通化を図り、生産ライン合理化を進めたことで、フレーム(枠・障子)とガラスの組み合わせで価格を抑制することに成功。
「エピソードⅡガス入」(引違い窓:NEO︲B、PJ窓:NEO)と、現行の「エピソード ガス無」(2021年6月販売終了)を、家一棟価格で比較すると、5%プライスダウンを実現した。

併せて、窓の熱貫流率については、「エピソード ガス無」の2.91W/㎡・Kに対して、2.33W/㎡・Kへと断熱性能の向上も実現している。

さらに、今回の集約統合では、南東北・北関東・北信越エリアなどでニーズの高い防露性に配慮した「エピソードⅡ NEO︲B(引違い窓)」を新たにラインアップ。熱を遮断する構造「形材断熱枠仕様」を採用し、ガラスを樹脂スペーサー仕様にすることで窓の室内側表面温度の低下を防ぎ、防露性能を高めた。

省エネ基準説明義務化に対応
「モデル住宅法」で扱いやすく

今回のアルミ樹脂複合窓を集約統合し、新リーズのエピソードⅡを用意するにあたっては、2021年4月、〝説明義務制度〞が開始されることにも配慮した。設計士には、施主に対して省エネ基準への適合状況の説明などの義務が課せられるが、工務店の約半数は外皮計算に対応できていないことが国土交通省の調査で明らかになっている。

アルミ樹脂複合窓を集約統合し「エピソードⅡ」シリーズを新たに設定

説明義務制度に合わせて、国は仕様値を用いたより簡便な評価手法として「モデル住宅法」を準備しており、工務店の大半はこの「モデル住宅法」を活用して省エネ基準の適合状況を判定すると見られている。

開口部の断熱性能評価にも仕様値を用いることで、窓種やサイズを考慮する必要なく、フレームとガラス仕様のみで判断でき、商品選択がしやすく、設計変更にも柔軟に対応しやすくなる。
ただし、開口部の仕様値に変更があり、以前は、アルミ樹脂複合窓は、ガス入り、ガスなし、また、中空層の厚みに関わらず、熱貫流率2.33と定められていたが、仕様値の変更により、ガス入り、中空層14㎜以上は熱貫流率2.33、ガスなし、中空層9㎜以上は2.91と、厳密に性能値が分けられた。

エピソードⅡシリーズはLow︲E アルゴンガス入を標準化しており、熱貫流率2.33の仕様値を省エネ基準への適合判定に使用できる。「モデル住宅法」を用いた省エネ基準への適合判定で、高い断熱性能を備えた窓として扱いやすくすることで、工務店などからの採用増につなげていきたい考えだ。

同社は、今回のアルミ樹脂複合窓のテコ入れをきっかけに、高断熱窓へのシフトをさらに加速させたい考え。

同社の窓の材質別の販売構成比をみると、2012年の、アルミが68%、アルミ樹脂複合が24%、樹脂が8%から、2020年には、アルミが33%、アルミ樹脂複合が38%、樹脂が29%となり、アルミ樹脂複合と樹脂を合わせた高断熱窓の割合は67%にまで高まっている。
ただ、2020年の樹脂窓の販売数量は、前年比2%増となったのに対して、アルミ樹脂複合窓は同4%減と伸び悩んだ。

同社の堀秀充社長は「アルミ樹脂複合窓については、商品ラインアップをしっかり体系化できていないことが課題だった。今回、ラインアップの集約統合を図り、より分かりやすく、選択しやすいように配慮した。樹脂窓も含めて販売を強化し、高断熱窓化へのシフトを加速していきたい」と話す。

エピソードⅡシリーズ全てで、2021年度に330億円の売り上げを目指す。2024年には、全窓販売量に対してアルミ樹脂複合窓を46%、樹脂窓を36%、合わせて高断熱窓を82%にまで高める目標を掲げる。

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