2021.2.25

LIXIL、約200万円で太陽光+蓄電池が導入可能

業界初のサービスでZEH普及を加速

LIXILは、蓄電池事業をスタートし新商品「スマート蓄電システム」を販売する。また、約200万円で太陽光発電システムと蓄電池をセットで導入できる業界初の新サービス「建て得でんち」も開始。ZEH普及のスピードを加速させる。

「建て得でんち」を利用した場合のイメージ

近年、FIT価格下落とともに住宅用太陽光発電システムの導入件数は減少傾向となっており、発電した余剰電力は売電せずに貯めて使う「蓄電池」に注目が集まっている。
加えて、コロナ禍の影響により「おうち時間」の増加で電力使用量が増加する傾向にあり、また台風や地震など多発する自然災害への備えといった観点からも、これまで以上に「蓄電池」へのニーズは高まってきている。

しかし、国の政策により蓄電池価格低減は進んでいるものの導入費用は高い水準にある。一般的な住宅に太陽光発電や蓄電池を導入するには、一般建築費用(2000万円)に加えて、建材・設備強化で200万円、太陽光発電システム200万円、蓄電システム200万円が加わり、一般的な住宅に比べて600万円高くなり、これが蓄電池普及を阻む大きなネックとなっている。
こうした状況を打破すべく、LIXILは2021年4月から蓄電池事業をスタートし、新商品「スマート蓄電システム」を発売する。11.5kWhの大容量・全負荷タイプの蓄電池で、ほぼ1日分の電力を貯めることができ、万が一の災害時でも必要最小限の家電を長時間使うことができる。

また、LIXIL傘下のLIXIL TEPCO スマートパートナーズ(以下、LTSP社)は、指定のLIXIL商材を採用しZEH仕様の住宅を新築する顧客に向けの新サービスとして、LTSP社に10年間余剰売電収入を提供することを条件に、スマート蓄電システムと太陽光発電システムをセットで製品・工事代を含め198万円(税抜き)で設置できる、新プラン「建て得でんち」の提供を4月から開始する。

LTSP社の試算によると、当初10年の一般住宅と「建て得でんち」採用住宅との差額は約113万円であり、ZEH+補助金(105万円)と蓄電池の補助金(19万円)の合計124万円の補助金を活用すれば一般住宅よりも軽い負担で、太陽光発電+大型蓄電池がついた高性能ZEH住宅を購入できるという。LTSP社・柏木秀代表取締役は、「イニシャルコスト・ランニングコストを抑え、さらに光熱費削減効果により15年で回収可能。補助金の利用がない場合でも、20年後に『建て得でんち』の方がお得になる」と説明する。

LIXIL Housing Technology JapanのZEH推進事業部の笠井達也事業部長は、「業界初の新サービス『建て得でんち』を推進のエンジンとして蓄電池事業をスタートし、ZEHの普及をさらに促進するとともに、これからのニューノーマル時代の住まいへのニーズを見据えたより快適で安心な暮らしの実現に寄与していきたい」と意気込む。