2020.12.21

(一社)建築開口部協会 カ防協と改装協が合併し協会発足

開口部の防災対策、老朽化対策など加速

 

(一社)カーテンウォール・防火開口部協会(カ防協)と(一社)建築改装協会が合併し、(一社)建築開口部協会としてスタートした。防災や安全性の向上など開口部に関する新たな課題への対応を強化する考えだ。


カ防協の前身は、1964年に発足した(一社)日本カーテンウォール工業会。2000年にアルミ防火戸認定推進協議会(1989設立)と合併し、カ防協となり、2012年に一般社団化した。安全かつ適正なカーテンウォール建築及び防火開口部などの健全な普及促進を目的に、カーテンウォールの技術基準の策定、調査研究及び普及促進、防火開口部の技術基準の策定、調査研究及び普及促進といった事業を推進する。

(一社)建築開口部協会の堀秀充会長は「人材などを重要な事項にシフトすることにより合併の効果を最大限に発揮してく」と挨拶した

改装協は、1980年に改装研究会としてスタート。1991年に建築改装協会に名称変更、2016年に任意団体から一般社団法人へ移行した。改装建築に係わる工法などの品質と施工技術の向上を目的に、建築改装事業の品質、規格、施工技術などに関する調査研究を進め、普及を図っている。

(一社)建設改装協会の小倉慶三元会長は「両協会の知見を合わせて進化し、建設業界の発展に寄与していきたい」と述べた

カ防協は、中心業務であった防火設備の通則的運用を一部例外を除き、2019年3月末に終了し、今後は同事業のアフターフォローを行うとともに、開口部の防火、カーテンウォールに関わる業務を引き続き担うことが求められている。
一方、改装協は、フローからストックという住宅・建築業界の流れの中で、今後業務のニーズが大きく拡大することが期待されている。

こうした状況の中で、20年12月に、カ防協を存続法人、改装協を消滅法人とする吸収合併契約で、(一社)建築開口部協会が発足。両協会の合併により、①「防災や安全の向上など建築物の開口部などに関わる新たな課題に対応し、リソースのシフト、及び研究・普及・計活活動の活発化」、②「建築開口部関係の業界団体としてプレゼンスの向上」、③「事務局運営及び業務の効率化を図ることによる団体運営の健全化及びそれによる既存事業の安定的継続」といったシナジー効果を生み出していきたい考えだ。建築物の開口部、墜落防止手すり及び飛びカーテンウォール・外装の性能向上及び品質確保に関する事業、また、建築物の開口部などの技術、品質及び企画に関する調査研究及び普及促進、建築物の開口部などの階層の品質、規格、施工技術などに関する調査研究、普及促進などを行う。正会員は、建築物の開口などに関する生産・施工・改装などを行う会社および団体32社・団体。準会員、賛助会員は153社・団体。

(一社)建築開口部協会の会長には、YKK APの堀秀充社長が就任。堀会長は発足記念式典で、「自然災害に備え、暴風による飛来物に対する開口部の対策、また墜落防止手すりの老朽化による事故を防ぐための点検・交換、学校施設の開口部の改修推進など、新たな課題に対する取り組みを積極的に推進していきたい」と述べた。