パナソニック ハウジングシステム事業部、蓋を閉じて洗浄するトイレを開発
コロナ禍の新生活様式に対応
パナソニック ハウジングシステム事業部は、蓋を閉じてから自動洗浄するトイレを開発した。新型コロナウイルス感染症の感染防止対策の観点から訴求を行っていく。
コロナ専門家会議のガイドラインに対応
パナソニック ハウジングシステム事業部(以下、パナソニック)は、自動で蓋を閉じてから洗浄する「クローズ洗浄モード」を搭載した全自動おそうじトイレ「アラウーノ」L150シリーズ、S160シリーズをそれぞれ2020年12月2日、2021年2月22日に発売する。
2020年5月4日に政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議が公表した業種ごとの感染拡大予防ガイドラインに関する留意点では、洋式トイレにおいて、便器の蓋を閉めてから汚物を流すよう表示することが推奨されている。仮に便や尿に新型コロナウイルスが存在していた場合、洗浄時に周りの空間に飛散することを防止するためだ。
パナソニックが2020年8月7日〜2020年8月8日に、310人を対象にインターネットで行った調査では約4割の人がこの利用方法を認知しており、そのうちの約8割の人が自宅でも実践していると回答している。
こうしたことから、今回、パナソニックはコロナ禍のこうしたトイレの利用方法に対応するため、「クローズ洗浄モード」を業界で初めて(パナソニック調べ)開発し、アラウーノの最上位グレード「アラウーノ」L150シリーズと、スタンダードグレードの「アラウーノ」S160シリーズに搭載した。
タッチレスで用足しから手洗いも可能
従来商品では、用を足してから立ち上がると、自動洗浄した後に自動で便器の蓋を閉じるようにしていたが、今回の「クローズ洗浄モード」では、立ち上がるとまず自動で蓋が閉じて、その後に自動洗浄するようにした。蓋がしまった後に洗浄することで、仮に便や尿に新型コロナウイルスなどのウイルスや雑菌が存在していても、洗浄時の飛散を防止することができる。
また、「アラウーノ」L150シリーズ・S160シリーズでは、オプションとしてトイレを洗浄すると自動で出水する別置きの手洗い「連動水栓」も用意したが、これを併せて導入すれば、便器やボタンなどに手を触れずに、用を足してから手洗いまでが可能になる。
まず、トイレに入ると便器の蓋のオート開閉機能により自動で蓋がオープン、用を足した後は、クローズ洗浄モードにより、自動で蓋が閉じて自動で便器を洗浄する。さらに、これに連動し専用手洗い連動水栓が自動で吐水・止水するというわけだ。
ちなみに、専用手洗い連動水栓の吐水時間は出荷時の7秒から、20秒と35秒に変更可能で、時間を長くすれば石鹸でよりしっかりと手洗いを行うことが可能だ。
最上位機種L150にはオゾン水で便器内の除菌も
最上位機種の L150シリーズには、トイレを清潔に保ち、掃除の負担を軽減する除菌・脱臭機能「オゾンウォーター」も搭載させた。
同機能では、トイレを利用した3分後、便器内とおしり洗浄ノズルに水から生成したオゾン水を約1分間散布し、汚れの元になる菌を除菌する。また、パナソニック独自の高機能帯電微粒子水「ナノイーX」をトイレ退出後に60分間発生させることで、トイレの壁の付着臭の脱臭も行える。コロナ禍で在宅時間が長くなる中、よりトイレを清潔で快適に利用したいといったニーズに対応する。
なお、アラウーノは、今年中に累計出荷台数が200万台を達成する見込みだ。
「100万台から200万台までは5年掛かったが、300万台到達へは新商品の投入効果も踏まえて今後4年で実現できる」(水廻りBU サニタリー企画開発部 酒井武之部長)としており、新商品の投入で、さらに販売を伸ばしていきたい考えだ。
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