2020.10.26

一条工務店が防災科学技術研究所と実証実験 

建物を"係留" 船の発想で水害を考える

“建物を浮かして守る” 究極の方法で実証に成功

家を浮かせて洪水から備える──。こんな究極の発想の実大実験を一条工務店と(国立研究開発法人)防災科学技術研究所が行った。
近年、これまでに経験したことのない大雨が頻発し、住宅への被害も増加。
床上・床下浸水どころか、住まい手の思い出がたくさん詰まった家屋ごと流されてしまうケースも。
一条工務店では洪水でも流されない家を考案。今回、一般的な住宅と比較しながら、最大浸水3mでも一定カ所で浮かび続けることが可能な住宅であることを実証した。そのメカニズムに迫った。


耐水害住宅」の防災科研との実験は昨年に続き2回目。前回は1・3mの浸水があっても、床下・床上浸水をしない住宅の仕様が、どのようなものかを実験で明らかにした。その際に、水が浸入する恐れのある開口部を徹底的に塞ぎ、住宅内への水の浸入をシャットアウトしたが、その時に建物は浮力の関係で少し浮くという事象を確認。1.3m以上の浸水で、どうすれば住宅を守ることができるのか、この1年検討を重ねてきた。対策としては大きく2つ。1つは住宅の浮上を防ぐため、水が一定の高さに達した段階で、家の中に水を入れ住宅の重量を重くし、浮かばないようにした。


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ハウジング・トリビューンVol.610(2020年22号)

特集:

災害広域化に備え、求められる数、速さ、居住性

近年、大規模な自然災害が相次いでいる。平成22年度から令和元年度までで半壊以上の住家被害が1000戸以上の災害は東日本大震災をはじめ13災害に上る。令和2年も熊本県などに大きな被害をもたらした「令和2年7月豪雨」が発生。死者・行方不明者80人超、家屋被害は全半壊だけで6000戸に及んだ。今年は新型コロナウイルス感染症という、これまでにない問題も発生し、これまで以上に避難生活から仮設期の暮らしへのスピーディーな移行が求められる。

応急仮設住宅は、「建設型」での対応が行われていたが、災害被害の拡大にともなってより多くの住宅が必要になったことで「みなし仮設」とよばれる「賃貸型」が導入、その活用が広がった。そして、今、注目を集めているのがトレーラーハウスやムービングハウスなどの移動式仮設住宅だ。

今後、南海トラフや首都直下などの大地震による想像を絶するほど大規模な家屋被害も予想される。それだけに仮設期の住宅供給をどうするのかを平時の今から考えなければならない。移動式仮設住宅は、プレハブや木造などの仮設住宅、民間住宅などを借り上げる「みなし住宅」に次ぐ3つ目の柱になるのか――。移動式仮設住宅の可能性を探った。

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