住宅における良好な温熱環境実現推進フォーラム、温熱環境改善リフォームの普及啓発を推進
事業者、消費者、自治体への訴求を本格化
住宅業界47団体が参加する「住宅における良好な温熱環境実現推進フォーラム」は、事業者、消費者、自治体の3者への訴求を本格化し、住宅業界を挙げた断熱改修の普及啓発を推進する。
住宅の温熱環境は居住者の健康に大きな影響を与える。特に、冬季に浴室・脱衣室・トイレといった水まわり空間が低温にさらされることで、ヒートショックなどの健康上の危険が高まる。しかし、日本の住宅で水まわり空間が温熱環境に配慮されているケースは多くないというのが実情だ。
こうしたことから、温熱環境に配慮した住環境の整備に向け、昨年、住宅業界47団体と関連省庁、自治体が参加する大規模な推進組織「住宅における良好な温熱環境実現推進フォーラム(以下、推進フォーラム)」(会長:張本邦雄 TOTO相談役)が立ち上げられた。これまで各団体や企業単位で実施してきた取り組みに横串を通しオール住宅業界で活動を行うことで、住空間の温熱環境改善リフォームの本格的な普及に結びつける狙いだ。
先進事例の情報共有を推進
断熱改修の設計・施工ガイドも作成
今回、第二回の全体会議が実施され、今後の活動計画が示された。
今後、推進フォーラムで実施する施策の一つが、推進フォーラム参加団体の温熱環境改善リフォーム推進の取り組みへのサポートだ。この一貫として、先進的な取り組みを実施している参加団体にヒアリングを行い、その取り組みを他の参加団体も横展開できるよう、フォーラム内での情報共有を行う。また、参加団体が作成したツールを推進フォーラムのホームページで紹介する。
個々の住宅事業者が温熱環境改善リフォームに取り組むための環境整備にも取り組む。この一貫として、断熱改修を事業者に促す「設計・施工リフォームガイドブック(仮称)」を作成。断熱リフォームの経験が少ない事業者に合わせ、レベル設定は初級から中級とし、水まわりを中心としながらも段階的にその他の箇所にも取り組めるような内容を盛り込む。
消費者向けの普及啓発も実施する。昨年度に消費者へ断熱改修の普及・啓発を促すガイドブック「あたたか住まいガイド」を作成したが、今後はこの活用を推進。同ガイドの設備機器メーカーショールームへの設置や、リフォーム事業者の営業ツールとしての活用を促進する。
また、自治体による温熱環境改善リフォームの支援を広げるための取り組みも行う。全国の自治体を対象に、温熱環境改善リフォームをサポートする取り組みの実施状況を調査し、先行している自治体との連携を検討する。また、取り組みが遅れている自治体についても、先行自治体の事例を紹介することで、自治体の意識を高めたい考えだ。
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