住友林業、戸建注文住宅で断熱性能を強化
自宅時間増による光熱費増を見据え対応
住友林業は、戸建注文住宅の断熱性能強化に乗り出した。高性能断熱材やアルゴンガス入りLow-E複層ガラスの窓を標準採用。在宅勤務の増加などウィズコロナでの暮らしを見据えた対応だ。
新型コロナ禍の影響で在宅勤務や外出自粛により、自宅で過ごす時間が増加。それに伴い、光熱費の負担上昇が指摘されており、省エネ住宅への関心が今まで以上に高まっている。このため、同社は、高性能な「断熱材」に加え、断熱性の高い「構造材」と「窓」で建物全体を360°しっかり断熱し、経済的で快適な暮らしを実現する「360° TRIPLE断熱」を戸建注文住宅(耐火仕様を除く)に標準採用する取組みを9月から始めた。
360° TRIPLE断熱では「グラスウール(高性能品)24K」を採用。繊維径は一般的なもの(グラスウール10K)に比べ1/2、総量(密度)は2.4倍だ。繊維が微細で量が多いため繊維間の空気層が細分化され、高い断熱性能を実現できる。断熱材の厚さは壁105mm、天井210mm(105mm×2重)、床100mmを採用しており、1980年頃の家(旧省エネ基準)と比較すると、壁は約5倍、天井、床は約7倍の断熱性能になるという。
また、木の断熱性の高さも、360° TRIPLE断熱では訴求。地面からの冷気や外部からの熱を室内に伝えにくいとして、断熱性の高さを構造材でも訴えている。
窓にもこだわっている。今回の360° TRIPLE断熱では、窓に1枚ガラスに比べ熱の伝わりを約80%低減するアルゴンガスを封入したLow-E複層ガラスを取り入れた。これにより、夏の強い日差し、冬の外からの冷気をカットする。
360° TRIPLE断熱の導入によりUA値は0.41を実現。ZEH及びZEHの外皮性能がさらに強化されたZEH+の断熱基準を上回る。また、在宅勤務などで自宅にいる時間が長くなるが、360° TRIPLE断熱の導入で光熱費の抑制も期待できそう。同社試算によると、モデルプラン(124.84㎡)で、東京都4人家族、電気・ガス併用住宅で、1980年頃の家(旧省エネ基準)との比較での光熱費の削減は24%減。断熱性能が高く、高効率な機器を標準採用した「住友林業の家」では年間約7万円の削減ができるという。
同社は戸建注文住宅について、大手ハウスメーカーでは初めてBELS(建築物省エネルギー性能表示制度)の全棟申請に取組んでいる。360° TRIPLE断熱を標準採用することで、同社の戸建て注文住宅は、BELSの最高ランクである5つ星に標準で対応することになる。
360° TRIPLE断熱を採用することで、坪当り2000円程度アップし、例えばモデルプラン(114.27㎡)のケースで1棟あたり6万円程度のアップになるという。「断熱性能を高め、よりZEHに対応しやすい住宅提案につなげる」(同社)考えだ。
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