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2020.10.1

三協立山、不振が続く国際事業を改革

コロナリスク対応の建材を拡充

三協立山の新社長に就任した平能正三氏は就任会見を開催。不振が続く国際事業の改革を第一に進めるとともに、中核事業である建材事業の更なる競争力の強化、ウィズコロナの時代に対応した建材商品の拡充、販売強化などに取り組むと方針を示した。

2026年に向け、事業構造を見直していく。多角化という大きな方向性は変わらない」と話す平能社長

三協立山は、8月27日開催の定時株主総会後の取締役会で、取締役専務執行役員で国際事業を統括する平能正三氏の代表取締役社長就任を正式決定した。就任会見で平能社長は、近年の事業環境・業績推移を説明するとともに目指す同社の姿を示した。

2020年5月期の連結業績では、国内の消費増税後の反動減や、新型コロナウイルス感染拡大の影響などにより、売上高は前年度比7・1%減の3136億円。全事業でコスト削減を強化したこと、建材事業で一部商品の価格改定を進めたことに加え、商業施設事業での業務効率化などにより、営業利益は同173%増の20億円となった。ただ、株式評価損の発生、子会社の減損などにより当期純損失は15億円の減収減益となり3期連続の赤字となった。

事業セグメント別の業績推移を見ると、売上げ全体の約6割を占め、三協アルミ社が舵取りする、建材事業については、18年5月期に21億円の営業損失を出したが、その後のコスト削減効果などにより、20年5月期には、営業利益45億円まで回復している。ただし、「新設住宅着工の減少で市場は減少し、厳しい競争環境が続いている。地金の価格変動にも左右されやすい」(平能社長)。

三協マテリアル社が担うマテリアル事業については、18年5月期の売上げ461億円、営業利益38億円から、米中貿易摩擦に伴う中国経済の停滞、世界的な設備投資停滞の影響を受けて20年5月期は売上げ387億円、営業利益13億円に減少した。

タテヤマアドバンス社が担う商業施設事業については、18年5月期の売上げは357億円、営業利益17億円であったが、ドラッグストアの出店に勢いがあるものの、コンビニの出店数の大幅な減少などの影響を受けて、20年5月期は売上げ384億円、営業利益6億円となった。

不振が続くのが国際事業だ。2015年3月、米国のAleris社から、ST Extruded Products Group(STEP‐G)を買収し、三協立山グループに加わった。ドイツ(4工場)、ベルギー(1工場)、中国(1工場)の計6工場でアルミビレット鋳造、型材押出、加工を行う。従業員は約1100人、売上高は300億円。販売構成の内訳は、自動車関連が33%、次いで建材が21%、鉄道が17%、機械設備向けのエンジニアリング12%などが続く。しかし、18年から、欧州の排ガス規制などの影響を受けて、新車販売数が減少し、そこに今期の新型コロナの影響が加わり不振が続いている。「想定以上に物量が落ちた。20年5月期は営業損失42億円と、事業セグメント別で過去最大の営業損失を計上した」(平能社長)。

収益面の健全経営で安定成長する企業に

こうした現状を踏まえて、「収益面での”健全経営”を確立し、安定的に成長する企業グループへ」を目指す姿として示した。そのための具体的な対応として、まずは国際事業の改革を急ぐ。STEP‐Gは2019年、フォルクスワーゲンの電気自動車のバッテリーフレームの生産を受注。2020年から納品を開始した。「立ち上がりは、大きな物量に届かないが、黒字化に向け、しっかり生産対応していく」(平能社長)考えだ。また、現地の責任者トップも交代させ、管理体制の一新も図った。より具体的な海外事業の戦略は、2021年4月の第2クオーターの決算説明会で開示する予定。

在宅でのリモート空間を確保する可動パーテーション「AMiS」などの引き合いも増えている

また、コロナリスクへの対応も強化する。3密対策・換気対策として効果が期待される、オーニング「ラクシェード」の4〜8月の売上は前年比34%増。また、20年6月には約1時間の簡単施工で取り付けられる出入り用網戸「てまノン網戸」を発売した。家時間をより充実させる商品の販売も好調だ。快適なリラックス空間を創出するガーデンルーム「ハピーナリラ」は同19%増、プライバシー空間を創出するスクリーンフェンス「エルファード/ベルサード」は同17%増で販売を伸ばしている。そのほか、在宅でのリモート空間を確保する可動パーテーション「AMiS」などの引き合いも増えている。「ビジネスチャンスがあり、さらなる商品開発、販売に注力していく」(平能社長)。

中長期的には、中核事業である建材事業のさらなる競争力強化に取り組み、強みを伸ばし、新たな強みの創出を目指す。

具体的には、中低層建築向けのロックダウン式のサッシの拡販などに取り組む。ロックダウンとは、完成品としてサッシを納入するのではなく、半製品の状態で納品し、現場での組み立ては代理店などに任せる方式だ。「サッシメーカーの中でも、最も豊富なロックダウン式のサッシのラインアップを持っている。ここを伸ばすことで、代理店の収益確保に貢献するとともに、私たちの販売拡大を目指したい」(平能社長)。

さらに、成長基盤の確立に向け、事業ポートフォリオの多角化、成長戦略の取り組みを加速する。強みへの資源注力、グローバルでの成長戦略、領域拡大を進めることで、18年5月期に、建材事業60%、マテリアル事業14.1%、国際事業14.2%、商業施設事業11.7%だった売上高の内訳から、26年5月期には、建材事業40%〜、マテリアル事業(海外展開含む)35〜40%、商業施設事業15%、領域拡大で10%へと移行していきたい考えだ。

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ハウジング・トリビューンVol.628(2021年19号)

特集:

住産業はどう対応する?

社会が大きく変わりつつある。
環境対策は待ったなしの緊急課題で、脱炭素社会の実現に向けた取り組みが急展開している。
少子高齢化は、わが国の人口構成を大きく変え、これまでになかった社会を迎えつつある。
また、地震や台風などの自然災害の激甚化・頻発化は気候変動への対策とあわせ、その対策が強く進められつつある。
さらにコロナ禍は、働き方改革やデジタル化を好むと好まざるとにかかわらず、強制的に進めることになった。
こうしたなかで人々の暮らしも変わりつつある。
生活を支える住産業は、こうした変化にどのように対応していくのか──。
各省庁がまとめた白書をベースに、さまざまなデータを紐解いた。

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