トヨタホーム、HV車から住宅への直接給電システム
レジリエンス提案を加速
トヨタホームは、ハイブリッド車(HV)などから住宅へ電力を直接供給できるシステムの販売を始めた。住宅のレジリエンス仕様のアイテムの提案を加速する。
同社は昨年4月、「災害にいちばん強い家を。」をコンセプトに、災害の発生時から発生後まで、より安心して住みつづけられる戸建商品の提案に乗り出した。耐震等級「3」の構造体を採用するなど、従来の性能・設備に加え、停電時に車の電力を宅内で使用できるV2Hスタンドや太陽光発電システム・エネファーム・蓄電池の3電池を備えたシステムを提案。断水時に安全な水を最大120ℓ確保する飲料水タンクを導入したり、猛暑でも快適な空間を実現する空調システムを提案したりしている。
今回、9月に販売を始めた非常時給電システム「クルマde給電」は、この流れの一環。最大の特長は価格面だ。停電時に電気自動車などから住宅に電力を給電するシステムとしてV2Hスタンドがある。蓄電機能も充実しているため、電気自動車を“蓄電池”代わりとして訴求する住宅メーカーもあるが、ネックは価格面だ。100万円を超えるため、高いレジリエンス機能がありながら、導入へ二の足を踏むケースが多い。同社の今回提案するシステムの価格は30万円台から。V2Hに比べ大幅に導入コストを圧縮した。
システムの仕組みはこうだ。車両のAC100V・1500Wのアクセサリーコンセントに外部電源用ケーブルを装着。住宅側にある防水フランジインレットに一方のケーブルをつなぐだけで、家庭で車の電力が使える。電気は住宅全体ではなく、リビング、キッチン、各居室など、住宅内の特定エリアのみをカバーし電力供給する「住宅内特定回路」となっている。住宅内特定回路がカバーする冷蔵庫や照明、扇風機、スマホ充電などの生活に最低限必要な家電類へ電力供給が可能に。「在宅避難がしやすくなり、防災・減災がより身近なものとなる」(同社)としている。
対象となる自動車はHV車のほか、プラグイン・ハイブリッド車(PHV)、電気自動車(EV)、燃料電池車(FCV)。
同社は今年1月に設立されたプライム ライフ テクノロジーズグループの1社。同社によると、今後、同じグループの、パナソニック ホームズとミサワホームも、同システムの取り扱いを予定するという。
「今回、家全体の電力をカバーできるV2Hスタンドのほか、新システムをラインアップし、HV車両からの給電も含め選択肢が広がったことで、ユーザー要望や必要性に、より柔軟に対応していく」としている。
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