設備 |  2020.7.21

ユーザーとの“つながり”でストックビジネスのチャンス拡大を

電力データを活かせ!【後編】

人生100年時代、住宅産業も建てて終わりの時代ではなくなった。ユーザーとのつながりをより深くし、ストックビジネスを開拓していく必要に迫られている。電力データの活用は、こうした場面でも大きな武器となる。生活の満足度向上、最適なタイミングでのリフォーム提案など、生活者への価値提案が新たなビジネスチャンスへとつながる。


新築市場の縮小が予想され、リフォームなどのストックビジネスが重要視されるなか、これまで以上に顧客との〝つながり〟が重要になっている。

そもそも住宅は維持メンテナンスが欠かせず、その住宅を建てた住宅事業者がその役割を担ってきた。しかし、住宅産業の構造やユーザーの意識が変わるなかで、住宅事業者と居住者の関係も変わった。「久しぶりに顔を出したら他社でリフォームしていた」、「知らない間に入居者が変わっていた(売られていた)」といったことが当たり前に起こっている。

スクラップ&ビルドの時代には新規顧客を開拓し続ける狩猟型のビジネスモデルが通用したのかもしれないが、もはや売りっぱなし・建てっぱなしは通用しない。ストック時代には、引渡し後にも維持管理、メンテナンスなどを通じてユーザーと長くつきあい、そのなかでリフォームや紹介などにつなげていくスタイルが事業のベースとなろう。建てた住宅というよりも、引き渡した住宅に暮らす家族と長くつきあうことで仕事を生み出していくということだ。

ユーザーとアプリでつながる
品質や満足度向上の必須アイテム

hitonowa
出典:エナジーゲートウェイ資料

いかに顧客とのつながりを継続していくか――。近年、新たなツールとしてクローズアップされているのがアプリである。

住宅事業者と引渡し済みの顧客との接点は、ダイレクトなものでは定期点検であるが、1年、3年、5年と頻繁なものではなく、さらに時間の経過とともに間隔も空いていく。定期的なものとしては会報の発行や定期的なイベント開催なども行われているが、やはり頻繁にできるものではなく、かつ事業者からの一方的な情報発信で終わりかねない。

こうしたなか住宅事業者でアプリの活用が広がりつつある。居住者のスマホなどにダウンロードしておいてもらうことで、事業者が必要な時に必要な情報を配信でき、ユーザーはちょっとしたことでも気軽に問合せすることができる。常に、事業者とユーザーが〝つながった〟状態にすることが可能となるわけだ。

例えば、秀光ビルドやアイ工務店は、エナジーゲートウェイの継続営業支援アプリ「hitonowa(ヒトノワ)」を導入、施主とのコミュニケーション不足による営業機会の損失を防ぐだけでなく、アンケートの実施によるアフターメンテナンスの品質向上、暮らしにあわせたリフォーム提案などにつなげている。「hitonowa」は問い合わせのやりとりや配信などを管理できるシステムで、これまでの電話やメールなどで行っていた業務を効率化することが可能だ。さらに電力データから暮らしぶりを推測することができ、ターゲットを絞り込んだマーケティングやサポートを可能とする。

出典:エナジーゲートウェイ資料(画面はイメージです。)

電力データを活用し
最適なタイミングで提案が可能

ストック時代の住宅産業は、顧客との継続的なつながりのなかで新たなビジネスを生むことが重要。この〝つながり〟が、修理・修繕だけでなく、より大きなリフォーム・リノベーション、建替え・住替え、紹介などにつながる。

この新たなビジネスの提案に、電力データの活用が大きく役立つ。生活データをリアルタイムに発信し続けることで顧客とつながりつづけることができる。さらに電力データを基に生活を分析することで、維持・メンテナンスやリフォームなどのタイミングがわかり、ユーザーに受け入れられやすい最適なタイミングで提案することができる。より積極的で効果的な営業活動につなげることができるわけだ。

エナジーゲートウェイは「hitonowa」とともに「ienowa(イエノワ)」を提供している。同社の電力センサーを設置した住宅で使用できる住生活のポータルアプリで、電気料金の見える化やIoT機器との連携など、電力センサー一つでスマートホームを実現する。この2つのアプリを併用することで、顧客とのつながりをベースに、さまざまな提案へとつなげていくことが可能になる。

生活スタイルの多様化が進み、超高齢社会への突入、環境・省エネ対策が必須となるなど社会が大きく変わりつつある。こうした時代に住宅事業者は、ユーザーに対してどのような価値を提案し、ビジネスにつなげていくか――。

電力データの活用などICTを活用した生活提案は、こうした時代に大きな武器の一つとなることは間違いない。


暮らしを便利に
センサー1つでスマートホームを実現

エナジーゲートウェイが提供する「ienowa」は、AIキャラクターが毎日の暮らしを便利にするスマートフォンアプリ。高精度電力センサーを1つ分電盤につけるだけでスマートホームを実現することができる。

ほぼリアルタイムに月々の電気料金を確認できるとともに家電ごとの内訳も把握できる。週・月ごとにデータをみることで、節電の指標や古い家電の買換えの参考にもなる。

また、家電の使用履歴から「家電の消し忘れの確認」や「留守番中の子どもの行動の推測」など、ゆるやかな見守り機能としても使うことができる。スマート家電リモコンと連携することで「ienowa」から家電を操作することも可能だ。

ユーザーは「ienowa」で事業者に問合せをしたり、事業者からのお知らせを受け取ることができるため、これまで以上に“つながり”を密にすることもできる。アプリはAIキャラクターがコンシェルジェの役割を果たすが、企業のオリジナルキャラクターへの変更も可能で、住宅事業者のオリジナルアプリとして使えることも魅力となっている。


●問合せ
エナジーゲートウェイ
東京都港区新橋3丁目1番11号
TEL: 03-6550-8450(代表)

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ハウジング・トリビューンVol.606(2020年18号)

特集:

地に足のついた営業で一足先に受注回復へ

新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言解除から3カ月が過ぎた。
一時は休業停止に追い込まれた数多くの住宅展示場も客足が戻りつつある。
客との対面でのやりとりができなくなる中、住宅メーカー各社が緊急対応として取り入れたオンラインによる打ち合わせやVRなどの導入によるWebの強化策。
2ケタ台の落ち込みが相次ぐ7月に、一足早く前年対比を上回ったメーカーから見えてきたのは、地に足のついた営業姿勢だった。
一部では非対面での住宅営業が進むとの見方もある中、他よりも一足早く受注が回復したにメーカーでは、「地道に丁寧な営業を重ねた結果で、奇をてらった対応はしていない」と口をそろえる。

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