住宅 |  2020.7.1

積水ハウス、賃貸内覧から生活インフラまでの手続きワンストップ

今年度中に一部エリアで運用スタート

積水ハウスが取り組んでいる、賃貸物件の内覧から生活インフラ契約までの手続きのワンストップ化の実現にめどがついた。今年度中に一部エリアでの運用を始める見通しだ。


賃貸住宅に入居する場合、部屋を内覧するために記入する申込書や、物件が気に入れば部屋の確保のために書く仮契約書など、客はいくつもの書類を書かなければならない。さらに、引っ越しすると、電話や電気、ガスなど様々な生活インフラの変更や申し込みのため、再び氏名や連絡先などの記入が求められる。

積水ハウスがイメージするワンストップの流れ

こうした手間を削減できないかと、同社は昨年、KDDI、日立製作所とブロックチェーン技術を使い、賃貸契約の利便性向上に向けた共同検証を始めた。その後、保険会社やガス事業者なども検証に参画。同時に不動産事業者の立会いなく物件内覧ができるかについて、スマートロックの検証もしていた。それぞれの検証を通じて具体化にめどがついたことなどから、同社は今年4月、企業間の情報連携を推進するコンソーシアム「NEXCHAIN」を他企業と立ち上げ、情報連携する下地を構築。同社は、「このコンソーシアムにある客のデータを活用しながら、賃貸住宅の内覧申し込みから生活インフラの契約手続きまでを客がワンストップで行える」と説明する。

サービスの流れはこんなイメージだ。客はまず、コンソーシアムに個人情報を登録。イメージとしてはマイナンバーカードのようなものだ。その客がインターネットを使って不動産事業者に内覧したい物件を申し込む。すると、不動産事業者は、コンソーシアムにある情報で本人確認をした上で、スマートロックを解錠するQRコードや暗証番号を客に送信する。内覧で気に入れば、その場で契約することもできるという。その後の引っ越しや電気、ガス、保険の申し込みも、コンソーシアムに参画する企業であれば、客がコンソーシアムに登録した情報を使って手続きができる。

同社は賃貸住宅「シャーメゾン」で、こうしたワンストップでのサービス提供を計画。賃貸入居時に、生活インフラまで含めた手続きをワンストップで提供するサービスは、賃貸住宅の管理・仲介にかかわる業界の中では初めてという。「今年度は一部エリアでサービス運用を開始し、最終的にはシャーメゾンのある地域すべてへサービスを提供していく」(同社)と話す。

6月時点で、コンソーシアムに参画する企業18社は次の通り。エスクロー・エージェント・ジャパン、エネルギア・コミュニケーションズ、大阪ガス、関西電力、KDDI、構造計画研究所、サカイ引越センター、積水ハウス、綜合警備保障、損害保険ジャパン、ディアブル、電通、東京海上日動火災保険、東京ガス、東邦ガス、日立グローバルライフソリューションズ、日立製作所、三井住友海上火災保険。

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