積水化学工業、2030年に住宅カンパニーの売上高1.5倍以上に
グループ長期ビジョンを策定
積水化学工業は2030年をゴールとするグループ長期ビジョンを策定した。住宅カンパニーでは売上高の目標を19年度比で少なくとも1.5倍となる7500億円に設定した。
同社は30年をゴールとする、グループ長期ビジョンで、2兆円の売り上げ目標を掲げた。加藤敬太社長は「ESG経営を中心に置いた革新と創造で、社会課題解決への貢献を拡大し、30年に業容倍増を目指す」と強調した。住宅については、7500億〜8500億円の売り上げ目標を示した。
この長期ビジョンを踏まえ、同社は22年度までの3年間の新中期計画を策定。住宅カンパニーでは売上高を19年度比で6.8%増の5480億円、営業利益で同16.4%増の440億円を計画し、「カンパニーの最高益更新を狙っていく」と神吉利幸プレジデントは力を込めた。
目標達成を目指し、事業ポートフォリオを見直した。これまでコア事業(住宅、リフォーム)とフロンティア事業(不動産、住生活、海外)に分けていたが、これを①住宅②ストック③まちづくり④住生活⑤海外―の5つのポートフォリオに再構築。不動産とリフォームを統合しストックとし、また、新たにまちづくりを加えた。「主に住宅、ストック、まちづくりでの伸長を図っていく」(神吉プレジデント)。
住宅事業では、縮小する国内市場の中でも、戸建に軸足を置き、シェアナンバーワンに向け成長を図っていく考えだ。神吉プレジデントは「底堅い分譲戸建の市場において当社の最大の強みである工業化住宅の優位性で、シェアナンバーワンの実現を目指す」と強調。分譲戸建市場のうち2500万円以下の低価格帯が全体の5割近くあるとされる中、同社での割合は24%。「当社はまだ半分と、伸長の余地が大きくある」と述べた。22年度で売り上げ棟数1万2000棟の目標を掲げており、19年度比で1120棟増を計画。そのうちの800棟を建売で伸長させる考えだ。
具体的な戦略としては、営業人員を2900人体制に増強し、営業体制を強化する。体感型ショールームを全国40カ所まで増やす。また、スマートレジリエンスの進化にこだわった商品戦略を加速する。
ストック事業では、今回事業統合したリフォームと不動産の融合で55万のOB客を核に、事業の最大化を図る。賃貸リフォームの受注拡大や買い取り再販でのブランド展開も行う。
まちづくり事業では、朝霞プロジェクトをさらに発展させた積水化学グループの際立ちまちづくりを新事業としてさらに成長させる計画だ。新中期計画の3年間で、120億円の売り上げを実現する。「既にそれに向けた5つのプロジェクトの仕込みが完了している」と神吉プレジデントは明かした。
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