2020.6.8

積水ハウス、全国の展示場に再生可能エネルギーを供給

「RE100」の早期達成に向けて弾み

積水ハウスは、全国の住宅展示場などに再生可能エネルギー由来の電力導入を始めた。「RE100」の早期達成を目指す。


同社は2017年10月に建設業界で初めて「RE100」イニシアチブへ加盟した。RE100とは、The Climate Groupが運営する国際的なイニシアチブであり、事業活動で消費する電力を100%再生可能エネルギーで調達することを目標とする企業の連合体。企業が連合することで、政策立案者や投資家に低炭素経済への移行を加速させるための強い意志を発信している。同社は、40年までにグループ全体の事業用電力を再生可能エネルギーに転換する目標を掲げている。

展示場などへの電力供給をまかなう「積水ハウスオーナーでんき

このRE100達成の肝となるのが、同社が展開する「積水ハウスオーナーでんき」だ。太陽光設備で発電された再生可能エネルギーを、国が一定価格で買い取る「FIT制度」が昨年11月から順次満了を迎えている。この買い取り期間10年満了後の余剰電力について、住宅メーカーは相次いで買い取りサービスを導入。同社ではいち早く買い取りサービス「積水ハウスオーナーでんき」を打ち出し、余剰電力対策に取り組んでいる。

積水ハウスオーナーでんき
加入率5割に迫る

同サービスへの加入オーナー数は20年3月末時点で6500件を超えた。同社によると、同2月の再生可能エネルギー買い取り量は全体で673MWh/月。これは、同社の全国住宅展示場と住まいの夢工場での電力使用量である620MWh/月を上回る実績だったという。同社は「2月は1年の中でも比較的電力消費が多く太陽光発電の余剰電力が少ない月であることから、年間通じて、展示場及び夢工場での使用電力の再生可能エネルギー化が可能」としている。

対象オーナーの同サービスの加入率は約47%に上っており、当初予定の約20%の2倍以上の申し込みがあるという。今後もFIT制度による電力買い取り満了に応じて、加入オーナーの増加が予想される。

今回、再生可能エネルギー由来の電力を導入したのは全国375カ所の展示場と、住まいづくりを楽しみながら学べる体験型施設「住まいの夢工場」5カ所の計380カ所。同社は「ZEHの積極的な普及促進とともに、事業所や生産拠点工場などで使用する電力についても順次再生可能エネルギーの活用を推進し、ESG経営のリーディングカンパニーとしてRE100の早期達成を目指す」としている。

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ハウジング・トリビューンVol.610(2020年22号)

特集:

災害広域化に備え、求められる数、速さ、居住性

近年、大規模な自然災害が相次いでいる。平成22年度から令和元年度までで半壊以上の住家被害が1000戸以上の災害は東日本大震災をはじめ13災害に上る。令和2年も熊本県などに大きな被害をもたらした「令和2年7月豪雨」が発生。死者・行方不明者80人超、家屋被害は全半壊だけで6000戸に及んだ。今年は新型コロナウイルス感染症という、これまでにない問題も発生し、これまで以上に避難生活から仮設期の暮らしへのスピーディーな移行が求められる。

応急仮設住宅は、「建設型」での対応が行われていたが、災害被害の拡大にともなってより多くの住宅が必要になったことで「みなし仮設」とよばれる「賃貸型」が導入、その活用が広がった。そして、今、注目を集めているのがトレーラーハウスやムービングハウスなどの移動式仮設住宅だ。

今後、南海トラフや首都直下などの大地震による想像を絶するほど大規模な家屋被害も予想される。それだけに仮設期の住宅供給をどうするのかを平時の今から考えなければならない。移動式仮設住宅は、プレハブや木造などの仮設住宅、民間住宅などを借り上げる「みなし住宅」に次ぐ3つ目の柱になるのか――。移動式仮設住宅の可能性を探った。

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