2020.4.20

住友林業、木のトータルコーディネートサービス開始

高まる森林への関心 第1弾は資生堂の新ブランドに

住友林業は、苗木の育成から植林、木材の活用まで、ノウハウを一元化して提供するトータルコーディネートサービスを始める。第1弾として資生堂が5月に投入する新ブランドをサポートする。


SDGsやサステナビリティ(持続可能性)に関心を持つ消費者が増える中、環境配慮型の商品が数多く販売されている。資生堂もこうした動きに呼応、「樹木との共生」をテーマに新スキンケアブランド「BAUM」を5月に投入する。資生堂は、このテーマにあわせ「木を使って何かできないか」と住友林業に打診、今回の取り組みが実現した。

苗木の提供から、植樹後の森林管理まで行う

BAUMは、日本人が古来より大切にしてきた自然との共生や、循環資源の象徴である樹木がコンセプト。90%以上を自然由来の素材から作るだけでなく、森林資源の循環利用を、未来につなぐサステナブルな活動として取り組む。BAUMの容器材料に使う「オーク(ナラ)」の苗木を中心にBAUM店舗内で育成し、ブランドコンセプトを訴求するとともに、育てた苗木を植樹し森林資源の循環を実現。将来的には、植樹した木を商品に活用することも視野に「サステナブル」なブランドの実現を目指すという。

「BAUM」を扱う店舗では苗木を店内で育成する

住友林業は2014年に「森林・緑化研究センター」を設立。これまで自治体や民間企業へ山林管理や緑化、環境保全の取り組みなどに関するサービスを提供してきた。近年、環境意識の高まりやESG投資の拡大により、森や木に関する注目が高まっている。そこで同センターでは、住友林業グループが保有する木に関する様々な知見をトータルコーディネートサービスとして提供する事業を計画。今回の資生堂との取り組みが、そのサービスの第1弾となる。

BAUMを販売する店舗は、樹木の恵みと出会う場所をコンセプトに設計。住友林業では、店内で育成する苗木や、その後の植樹のサポートなど、これまで培ってきた木に関する様々なノウハウを活用し、BAUMのブランディングをサポートする。店舗内で苗木を育成する取り組みについて、「非常に珍しい」(住友林業)という。

環境意識の高まりやESG投資の拡大により、同社は「森や木に関する注目が高まっている」と感じている。現在、他の企業との間でも、トータルコーディネートサービスの提供について話を進めており、「今後、力を入れていきたい分野だ」(同)と強調する。

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ハウジング・トリビューンVol.624(2021年14号)

特集:

巨大な潜在市場が動き出す

2015年のいわゆる「空家特措法」施行から6年が経過する。
国は大きく利活用と除却の二方面から、制度改正や補助事業などを通じて空き家対策を進めてきた。
発生の抑制や除去などに一定の効果が出ているが、利活用についてはなかなか火がつかなかった。
空き家問題には数多くの課題が横たわる。
今、こうしたその散在した課題を解決するサービスが続々投入されている。
さらに、コロナ禍は空き家市場にとってマーケット拡大のきっかけになる。
テレワークの普及により、多拠点居住や多拠点ワークを行う「場」として空き家に関心が高まっているからだ。
今年3月に閣議決定された住生活基本計画でも、空き家の活用を「新たな日常」に対応した新しい住まい方の実現の1つに挙げている。
また、6月18日に閣議決定された骨太の方針でも空き家について言及。
「先進的取組や活用・除却への推進等の支援」などをしながら、既存住宅(ストック)市場の活性化に結び付ける考え方を明確にした。
こうした空き家への関心の高まりを追い風に、いよいよ空き家マーケットの誕生の期待が高まる。
国が掲げる2030年に14兆円のストック市場の実現可能性が見えてきた。

目次

HTʼs eyes

土石流が人災であったとしても
大規模盛土造成地の点検スピードアップを

ストック市場のけん引役になるか
空き家ビジネス
巨大な潜在市場が動き出す

TOPIC&NEWS

YKK AP、木製内窓の促進をサポート 木製窓展開の布石に
ミサワホーム、2030年に向けた実証住宅を建設
日本モバイル建築協会が発足、"移動式"の仮設住宅の普及に弾み

スマカチ通信2021 No.17「住宅業界のためのオウンドメディア講座」

INTERVIEW

長谷川萬治商店/長谷萬 代表取締役 執行役員社長 長谷川泰治 氏
木が求められる時代に材木屋を再定義
感動を与えられる商品・サービスを充実

CLOSE UP

三井ホーム 中大規模木造マンションブランドを創設
積水化学工業住宅 カンパニー 脱炭素と災害対策が付加価値の街づくりを強化
ビスダックジャパン パネルを活用した木造システム工法を開発

脱炭素化でギアチェンジ
加速する住宅省エネ化 動き出す断熱材市場

中央住宅 敷地とエネルギーをシェア 脱炭素社会を目指す暮らし価値を創造

リンナイ 入浴に新たな価値を! さらに上質なお風呂時間を実現

連載

[国産材を活かす㉓]『ウッドショック』下の木材利用③
林材ライター 赤堀 楠雄 氏

トヨタホーム 首都圏郊外での戸建分譲開発を推進
アイダ設計 省エネ性能の説明義務化を契機に提案力向上へ
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