2020.4.6

ジェクトワン、空き家サブリース事業を強化

3年で500件の運営を目指す

ジェクトワン(東京都渋谷区、大河幹男代表取締役)は、空き家のサブリース事業を強化する。3年後には500件の運営を目指す方針だ。


オーナーはコスト負担ゼロで空き家の価値向上が可能

ジェクトワンは空き家のサブリース事業「アキサポ」の展開を強化する。立ち上げから約4年で30件の運営を受託しているが、2020年度は100件、3年後には500件の運営受託を目指す。

アキサポは、ジェクトワンが首都圏の空き家を借り受け、リノベーションした後、一定期間サブリースする空き家活用サービスだ。

サブリースによる賃料の8〜9割はジェクトワンの収益に、残りはオーナーの収益となる。オーナーの収益は「だいたい固定資産税に掛かる費用+αくらい」(アキサポ担当竹内麻実氏)を設定しているという。

今年3月、東京都豊島区の空き家を活用し古本屋「ふるいち」をオープン。近隣には以前に手掛けたシェアキッチンスペースもあり、空き家活用によるエリア単位の活性化も目指す

リノベーションに掛けるコストは周辺賃料相場の24ヶ月分くらいを目安にしている。ジェクトワンがリノベーション費用を持ち、オーナーはコスト負担ゼロで空き家の価値を向上できる。

空き家活用のバリエーションは豊富だ。賃貸住宅として貸し出すだけでなく、飲食店やレンタル倉庫、大型バイクガレージ、クリエイター向け貸しオフィス、シェアキッチンなどにリノベーションして貸し出している。「あらかじめ地域住民にヒアリングを行い、地域のニーズに合わせたかたちで空き家活用を行なっている」(同)という。

最近では、今年3月、東京都豊島区の空き家をリノベーションし、「古本市場」を展開するテイツーと連携しながら古本屋「ふるいち」をオープンさせた。
「ふるいち」のあるトキワ荘通りには、アキサポが以前に手掛けた「コマワリキッチン」というシェアキッチンスペースもあり、空き家活用によるエリア単位の活性化も目指している。

「ふるいち」には、地域活性化を目的にコミュニティカフェも併設

地方への進出も
京都、山梨に試験展開

ジェクトワンはアキサポを5年以内をめどに全国展開していきたい考えだ。首都圏だけでなく地方の空き家活用も図っていく。

既に、試験的に第一弾として、京都府で空き家を宿泊施設にリノベーションしてサブリースするプロジェクトを開始。山梨県でも第二弾プロジェクトを計画しているという。

ジェクトワンが直接サブリースして運営を行うのではなく、各地の住宅・不動産事業者などを通じて、取り組みを進めていきたい考えだ。ジェクトワンはコンサルタントのフィーなどで収益を得ることを検討している。