2020.3.26

ポラスグループ中央住宅、マンション機械式駐車場の安全スペースに注目

車庫入れ時の子どもの事故防止に一役

ポラスグループで分譲マンション事業を手掛ける中央住宅 マインドスクェア事業部 マンション Dvで企画・提案する、機械式駐車場での事故を防ぐ安全スペースが注目されている。


分譲マンションの多くはスペースに限りがあることなどから、機械式駐車場を設置するケースが多い。機械式駐車場は運転手以外の侵入が禁止されている。このため、子どもが同乗している場合は、車から降ろして入庫することになるが、この一時的に子どもと運転手とが離れるタイミングで危険が発生すると指摘されている。実際に、入出庫に絡んだ死亡事故も、こうした子どもから目を離した時に起きている。

多くの危険と背中合わせのマンション機械式駐車場

こうした危険を回避するため、本来禁止されている子どもを同乗させての入出庫を繰り返しているケースも少なくない。しかし、機械式駐車場内は狭く、車両を停止するための段差も多く、転倒などの危険もある。このため「機械式駐車場での事故や怪我から子どもを守りたい」(西牟田奈津子さん)との思いから、安全スペース「車の出し入れ まもるんスペース」を開発した。

安全スペースは、機械式駐車場周りのウェイティングスペースを活用する。既に導入している、埼玉県にある分譲マンション「ルピアコート西大宮」(総戸数124戸)には、機械式駐車場の脇に、安全スペースを設置。子どもが勝手に出入りできないよう、3方を透明のプラスチックの板などで囲み、出入りできるカ所を1つにする。機械式駐車場の利用者は、いったん駐車場周りに車を停車させ、車から降ろした子どもを、この安全スペースに入れる。そして、外側についている鍵を利用者が掛け、入庫や出庫作業を行う流れだ。鍵は小さな子どもが開けられないような高さに設置している。中にはベンチも用意されており、子どもが読書などをしながら、利用者のお迎えを待つことができる。屋根も付いており、雨の日でも気にせずに、利用できる設計になっている。

「車の出し入れ まもるんスペース」で子どもの安全対策が図れる

機械式駐車場への車の出入庫にかかる時間は5〜10分。安全スペースで子どもを待たせれば、駐車作業も慌てずに行うことができる。「マンションの居住者の方で、使用している人は多い」と同マンションの管理員は話す。

同社によると、機械式駐車場での、こうした安全スペースの取り組みは全国で初めてという。この「車の出し入れ まもるんスペース」は昨年のキッズデザインの「子どもたちの安全・安心に貢献するデザイン 一般部門」でキッズデザイン協議会会長賞を受賞するなど、多方面から注目されている。

西牟田さんは「機械式駐車場での事故や不安が少しでも解消されれば」と話す。