設備 |  2020.3.26

東南アジアの 総合電材プロバイダー目指す 商材拡充と空間提案を加速 

東南アジア市場強化へ 動き出すパナソニック(2) 

パナソニック ライフソリューションズ社は、東南アジアの電材事業の強化に乗り出した。商材のラインナップを拡充するとともに、新たな商材も市場へ投入し、東南アジアの“総合電材プロバイダー”を目指す。


パナソニック ライフソリューションズ社(パナソニック)は、2020年度から東南アジアでの事業を強化し、売上高を2021年度までに1000億円に倍増させる計画だ。システムキッチン・ユニットバスといった住宅設備の本格的な販売と、電材事業の強化が大きな柱。

バンコク市内で開催された東南アジアのデベロッパー向けの展示会では、複数の電材を組み合わせて実現する快眠空間も提案された。心拍と呼吸数の計測や、照明や空調、音楽などを自動制御することで、快眠につなげる

電材事業については、コンセントといった配線器具が各国でトップシェアを獲得するなど、既に東南アジアで一定の成果を上げているが、勢いを増す建築需要を取り込むため、展開をさらに加速させる。日本国内の人材を東南アジアに派遣し人材リソースを強化しながら、東南アジアでの電材事業単体の売上高を2018年の591億円から2021年には800億円へ引き上げる。

電材事業の売上高の拡大に向けた方策の一つは、商材の拡充だ。これまで販売を行ってきた配線器具やLED照明、送風機器において価格帯や機能などを変えて新商品を発売し、ラインナップを増やす。この一環として、配線器具については、2月にタイで付加価値の高い新商品「INITIO」を発売。シンプルなデザインとマット仕上げによる洗練されたデザインを訴求力に現地マンションデベロッパーへの提案に力を入れる。

また、中長期的には、これまで販売してこなかった新たな商材の市場への投入も視野に入れている。「日本市場で築いている圧倒的な信頼と品質を輸出し、東南アジアの“総合電材プロバイダー”を目指す」と、右近貞治副社長は意気込む。

空間提案の訴求に注力
作業効率向上や快眠で付加価値

東南アジアでの電材事業の売上高拡大に向け、空間提案にも力を入れる。パナソニックの電材を導入することで実現する付加価値の高い空間を訴求する。
この一環として、2月5日〜7日にバンコク市内で東南アジアのデベロッパー向けの展示会を開催。展示会では、照明を通じて学習と仕事の効率性を向上させるワークプレイス空間の提案を行なった。

ディスカッションなどを行う「Co-creation」、リフレッシュを図る「Refresh」、電話・ウェブ会議などを行う「Forcus」の3つのシーンに応じた照明を提案。タブレット端末による照明の一括制御や、プロジェクターで壁に葉影の映像を投影するシステムも披露した。

また、展示会では複数の電材を組み合わせて実現する快眠空間も提案した。寝室の天井に設置した電波センサーを通じ睡眠時の心拍と呼吸数を計測することで睡眠の状態を把握。照明や空調、音楽などを自動制御することで快眠につなげる。

ワークプレイスでの作業効率の向上、住宅での健康維持・増進――。こうした社会的ニーズは東南アジアに先んじて日本で高まりを見せている。これに対してパナソニックは同社の電材を導入した空間ソリューション提案に取り組んでいるが、引き合いは大きいという。

急激な経済成長により、東南アジアでも今後は働き方改革が叫ばれ作業効率の向上が求められるようになるだろう。また、高齢化の進展により住宅での健康ニーズの高まりが見込まれる。それだけに、パナソニックが日本で培った空間ソリューション提案は東南アジアでも関心を集めそうだ。

タイの“ミニ津工場”が東南アジアの電材事業を支える

パナソニックが東南アジアで販売する電材機器の中でメイン商材となっているのが、コンセントといった配線器具。タイ、ベトナム、フィリピン、インドネシアではトップシェアを獲得している。

パナソニックの東南アジアでの配線器具の成長を支えるアユタヤ工場

その配線器具で、東南アジアのマザー工場として生産を担うのがタイのアユタヤ工場だ。日本の配線器具のマザー工場は三重県の津工場であるが、それになぞらえ、現地スタッフはアユタヤ工場を“ミニ津工場”と呼んでいる。アユタヤ工場では、津工場のノウハウを取り入れ、日本と同等の高いオペレーションと商品の品質を実現している。

さらには、アユタヤ工場のタイ人スタッフが、学んだノウハウを生かしベトナムの新工場の立ち上げも行なっており、アユタヤ工場は東南アジア各地へ技術を伝播させる拠点にもなっている。アユタヤ工場は、“ミニ津工場”として今後も東南アジアでの配線器具事業の成長を支えるだろう。

(記者=佐々木政史)


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