2020.3.17

住友林業「持続可能な社会を実現」目指し社長交代

取締役専務執行役員の光吉氏が就任

住友林業の社長が10年ぶりに交代する。4月1日に新社長となる、取締役専務執行役員の光吉敏郎(みつよし・としろう)氏は3月2日の就任会見で「様々な事業環境が大きく変化する中、公正信用を重んじる住友の事業精神を重んじ、持続可能な社会を実現していく」と抱負を述べた。

市川社長からしっかりバトンを受け継ぐ光吉氏(右)

同社は昨年中期経営計画を策定。2022年3月期で、売上高を従来ベースで19年3月期比16%増の1兆5200億円に。特に海外住宅・不動産関連を中心に3年間で1500億円を投じる積極姿勢を鮮明にする中での社長交代に、現社長の市川晃氏は「どのタイミングで次の社長に引き継ぐかは常々考えてきた。このタイミングがベストと考えた」と説明した。

新社長の光吉氏は57歳。1985年住友林業入社、2010年執行役員海外事業本部海外開発部長、11年常務執行役員海外事業本部長、14年取締役常務執行役員、18年取締役専務執行役員住宅・建築事業本部長。光吉氏は「市川社長からのバトンを担うのは初めて海外駐在に赴いた1992年の時以来2度目だが、今回は非常に重たいバトンを受け継いだ」と話した。今後縮小が予想される新築マーケットでは「決してネガティブにならず、大きく世の中が変化する成熟社会だからこそ存在する需要が必ず出てくる」と意欲を示す。

光吉氏に社長就任を打診したのは1月で、快諾してもらったという。市川氏は「国際感覚、バランス感覚に優れ、非常にフェアで取引先や社内からの信頼も厚く、どんな局面でも冷静で粘り強く、これからの時代の変化にしっかり対応できる」と光吉氏に期待を寄せた。

市川氏は代表権のある会長に就任する。代表取締役会長の矢野龍氏は取締役相談役に。


記者会見での主なやりとり

――今後木材はどうなっていくのか

光吉 現在は構造材、集成材を中心に材料としての工業化が進んでいる。一方、職人をはじめとした人不足は深刻度を増している。材料の合理化だけではなく、現場施工をプレカットやIoTなどで改革し、合理化することが大切な時代だ。

――非住宅での木造化については

光吉 保育園や老人ホームなど低層の木造建築は進んできている。ただし、弊社が41年に向けて構想するW350のような木造建築の高層化はまだまだこれから。デベロッパーやゼネコンと組んで木造の中高層が増えるよう注力していきたい。

――縮小する新築マーケットをどうかじ取りするか

光吉 新築住宅着工数をグラフにすると右肩下がりになり背筋が寒くなるが、中身を見ると64歳以上のリフォームは変わらないし、相続も増えていく。そうした中で何ができるのか。決してネガティブにならず、大きく世の中が変化する成熟社会だからこそ、存在する需要が必ず出てくる。

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特集:

木促法改正で市場拡大に期待

利用期を迎えた国内の森林資源の活用、また、SDGs、脱炭素化といった観点から、木造建築推進の機運が高まっている。
2021年6月には、公共建築物木造利用促進法(木促法)が改正され、脱炭素社会の実現に向けて、一般建築も含めて、木造化を推進していく方針が打ち出された。
市場拡大への期待が高まる中で、事業者の動き、木造建築を建てやすくする技術開発が加速する。
中大規模木造市場攻略のポイントはどこにあるのだろうか。

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