建材 |  2020.2.28

YKK AP、エクステリア技能者の育成に 研修所を開設

新商品開発にも応用 24年までに売り上げ1.7倍

YKK APは、埼玉県上尾市に、エクステリア施工技能者の育成、技能のレベルアップを目的としたエクステリア施工技術研修所「DO SPACE 上尾」を開設した。2024年までに、エクステリア事業の売上げを1.7倍にまで拡大させる計画だ。


「メーカーとしてエクステリア施工技術者の育成・レベルアップの一翼を担っていきたい」と話す堀社長

社会が成熟化し、エンドユーザーのニーズも多様化する中、YKK APは、付加価値を高めた提案でエクステリア事業を強化する。具体的には、エクステリアを、①ファサード、②開口部まわり、③庭空間という3つのカテゴリーに分けて商品の拡充を図っている。

例えば、ファサードでは、高級品から中級品、普及品まで、「エクスティアラ」、「シャローネ」、「ルシアス」、「シンプレオ」というランク別のシリーズを展開し、建物と外構をトータルコーディネートする提案を強化する。

開口部周りでは、アウターシェードやオーニング、オープンルーバー、バルコニー屋根といった商品ラインナップを拡充。光、熱、風、水をコントロールすることで、開口部周りから快適性を高めることを訴求する。

庭空間では、テラス囲い・サンルームなどを活用して、リビングなどから一続きとなった庭空間を創出することで、くつろいで過ごせるスペースを広げる提案に注力している。

同社の篠塚正人エクステリア本部長は、「新築からリノベーションまで、ライフステージに合わせたエクステリアの提案を進化させている。すべてのステージでエクステリアの需要を創造していきたい」と話す。

技能者育成をサポート
エクステリア事業の第二段階

一方で、業界全体の課題として、エクステリア施工技能者の不足や高齢化に加えて、ユーザーからの施工品質への要求は一段と高まっている。こうした背景から、同社は今回、埼玉県上尾市に、エクステリア施工技能者の育成、技能のレベルアップを目的としたエクステリア施工技術研修所「DO SPACE 上尾」を開設した。敷地面積は1539㎡、延床面積は、729㎡。1階に実技研修場(472㎡)、2階に講習室・事務所(257㎡)などを設けた。

DO SPACE 上尾の外観。JR 高崎線「上北尾」から徒歩12分の場所に立地する

施工の知識や技術のほか、施工現場で必要な現場マナー、安全知識、関連法規などを座学で研修する基本的なカリキュラムを用意するほか、実技研修も充実させる。多様化する商品や納まりに対して高水準な品質を担保するため、現場調査 → 組立・施工 → メンテナンスまでの全般的な知識やスキルを習得できる研修カリキュラムを開発する予定だ。

実物大の躯体や研修体を活用した実技研修により、単に商品の組立や取付方法を学ぶだけでなく、活用した商品の長さや重量を感じながら、現場調査や墨出し、基礎用の穴あけや柱の立て方・調整など、エクステリア工事の基本から研修できる。障害物など実際の施工現場を再現した環境で実技研修することで、より実践的な施工技術の習得が可能だ。

DO SPACE 上尾1階の実技研修場。原寸大の躯体を設置。イレギュラーな施工ケースも習得できる

関東圏のエクステリア工事店、エクステリア販売店、建材流通店の施工技術者などを対象に有償で研修を実施。事業者の要望に応じてカリキュラム内容はカスタマイズする。初年度の研修回数は100回、対象者数は500人。

同社の堀秀充社長は、「施工技能者が不足する中、施工を含め商品の性能をどう担保していくのか。今回の施設の開設により、施工技能者の育成、レベルアップの一翼を担っていきたい。時間をかけてエクステリア商品のラインアップの充実を図ってきたこれまでがエクステリア事業の第一段階とすれば、これからは第二段階になる」と述べた。

カーポートの実技研修では、柱レベル、垂直、並び、固定方法など基礎穴部分から説明する

また、同社は、DO SPACE 上尾の取り組みを通じて、経験豊富な施工技能者が現場で培った実践的な“職人技”を持ち寄り、伝承すべき技術を見える化することで、高品質と省施工を両立するノウハウや、施工治具・新工法の開発・研究などにもつなげていきたい考え。

2019年の同社の全売上げに占めるエクステリア事業のシェアは28%。エクステリア商品の拡充とともに、今回開設したDO SPACE 上尾でエクステリア施工技能者の育成・レベルアップへの取り組みも強化することで、2024年に、エクステリア事業の売上げを1.7倍にまで拡大させる計画だ。