ユニバーサルスペース リフォームの端材使い社会貢献
FC加盟店と連携し、デイサービスに“天守閣”を寄贈
介護向け住宅リフォーム事業を行うユニバーサルスペースは、端材の有効活用に取組んでいる。天守閣の模型をつくり、デイサービス施設に提供。同社は「お年寄りに旅行気分を味わってもらいたい」と話す。
同社は、介護リフォームフランチャイズチェーン「介護リフォーム本舗」を全国に78 店舗を展開する。これまでの工事実績は4万5000 件超。最近では本業のリフォームだけでなく、要介護者の暮らしやすさを実現するリフォームの利便性や重要性の啓発にも努めている。
その啓発の一環として行っているのが、端材を使った天守閣の模型を制作する「黄金の天守閣プロジェクト」だ。要介護者が安心して生活できる家づくり啓発プロジェクトとして昨年から始めたものだ。
昨年は本社が中心となって1つの天守閣を制作。今年は、フランチャイズ加盟店から「参加したい」という声が上がったため、法人加盟のフランチャイズ店4店舗が中心となって天守閣の模型を3つ制作した。本社社員が指導しながら、法人加盟のフランチャイズ店2店舗22 人が作業分担をして、約6週間かけて幅900mm × 奥行900mm × 高さ1,500mmの大きさの天守閣を作り上げた。
同社は、介護リフォームで最もニーズの高い手すりの施工が多い。1本2m ある手すりを、80㎝にカットして使うが、例えば80㎝を2本とると、40㎝の端材が発生する。2018 年で1年間に3000 本の手すりを使っており、毎年、かなりの端材が発生する。「処分するにも、費用がかかることから、端材を有効に活用できるものとして、このプロジェクトを始めた」(濱川翔太取締役)と話す。
寄贈したデイサービスに訪れたお年寄りからは、天守閣の模型を間近で見て、「ツキがきそう」「華やか」「元気になりそう」などの声が上がっていたという。濱川氏は「中々、ご高齢で旅行に行けない人も多く、天守閣を見て旅行気分を楽しんでもらえればありがたい」と話す。
神奈川県のSDGsパートナーにも登録
同社の本社がある神奈川県は、SDGs 推進を目的に2019 年4月に、「かながわSDGs パートナー」第1期の募集を開始。SDGs の推進に資する事業を展開している企業などの取組事例を、県が募集・登録・発信するとともに、県と企業などが連携してSDGs の普及啓発活動を2年間行っている。
同社は10 月に、第2期の「かながわSDGs パートナー」に登録。同社が取組む「高齢者の自立支援」と「環境への配慮」という点が、SDGs に結びついている。
端材の有効活用は、こうした点からも評価される取組みだ。同社は関東を中心に店舗を広げており、年内には100 店舗を目指している。
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