アドレス、住み替えフリーサービスを本格始動
3年間で1万会員・2000拠点へ
アドレス(東京都千代田区・佐別当隆志社長)は、定額で全国に設けた複数のコリビングに自由に住み替えられるサービス「ADDress」を本格始動する。3年間で1万会員、2000拠点を目指す。
アドレスは、全国に設けた複数のコリビング(シェアハウスとコワーキングスペースが一体となった、新たな住まいの形態)を定額で自由に住み替えられるサービス「ADDress」を本格始動する。これまで新規会員の募集を一時ストップしていたが再開。3年間で1万会員、2000拠点への拡大を目指す。
「ADDress」は全国のコリビングを月額4万円という低価格で自由に住み替えられるサービスだ。ユーザーは特定のコリビングに住所を置き本拠地としたうえで、他の拠点についてもネットで予約し連続1週間まで滞在できる。光熱費、Wi-Fi、共有の家具やアメニティの利用、共有スペースの清掃も料金に含む。
現在、住み替えられる拠点は全国で24あるが、新たに20拠点をオープンさせる予定。基本的には、アドレスがオーナーからサブリースして拠点を提供するが、新規オープン予定の北鎌倉の拠点は、アドレスが所有する形をとった。開業資金にクラウドファンディングを活用し、目標額の3655 万円をわずか3日で達成した。
交通事業者と連携し、地方拠点への移動コストの負担を抑える取り組みも行う。JR 東日本スタートアップ、ANA、NOREL と提携し、実証実験を行う。
ANA とは、拠点への宿泊と飛行機での移動をセットにした定額サービスの実証実験を来年1月から開始する。ADDressの利用料に2万~3万円を追加することで、ANAの全国の指定路線を月4回もしくは2往復まで搭乗できるようにする。
また、ADDressでは、拠点に住み込み、ユーザーをつなげ地域の魅力を発信する管理人「家守」を置くようにしているが、この養成を行うため(一社)エリア・イノベーション・アライアンスと2020年1月に、「家守の学校」を開校する。
ネットを通じたe ラーニングと実地での研修を行う。受講料は30万円(税別)。
一方、ADDressのような全国のコリビングを定額で住み替えられるサービスの提案は最近にわかに活発化しているが、普及に向けた課題もある。その一つは仕事の問題だ。全国の拠点を自由に住み替えられるサービスはあっても、それぞれから同一の職場に通うことは難しい。佐別当社長は「ユーザーの7割はフリーではなく一般企業に勤めている。首都圏近郊の物件を増やしており、一般企業に勤める人でも利用しやすい環境の構築を目指している」と強調する。仕事の問題を乗り越えユーザーの裾野が広がれば、ADDressのような自由に全国の拠点を住み替えられるサービスが、一気に拡大する可能性もありそうだ。
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