日本リビング保証、細かな修繕にも対応したサポートデスクを開始
住宅事業者のアフター業務軽減とリピーター育成に
日本リビング保証は、クロスの剥がれなど住宅の細かな修繕にも対応した、メンテナンスサポートサービスを始めた。住宅事業者のアフター業務の負荷軽減とリピーター育成を後押しする。
今回、同社が始めたサービスは「再顧客化機能付きメンテナンスサポートデスク」。従来、それぞれの住宅事業者で対応せざるを得なかったクロスの剥がれなどの細かい修繕も、同社が対応。各種メンテナンスの対応はワンストップでネットワーク化している事業者が担当する。同社経営企画部部長代理の渡部尚生紀氏は「住宅事業者が、新築やリフォームなどの案件に集中できる環境を整備し、収益性向上と業務負荷軽減につなげたい」と狙いを明かす。
住宅事業者向けのコールセンターは、他社も手掛けている。ただ、多くは設備機器の故障などから発生するメーカーメンテナンスや相談、説明などのコールセンターでの対応にとどまり、細かな修繕などのメンテナンスは住宅事業者へ戻すスキームとなっているため、実際は手離れになっていないケースが多いという。
同社が対応するのは、メーカーメンテナンスや、相談などのコールセンターによる対応に加え、サッシの開閉やクロスの剥がれ・浮きの他、ドアの開閉、建具の傷、コーキングの剥がれ、床の音鳴りなど。「引き渡し後に住宅事業者に求められるアフターサービス業務の最大80%の引き受けが可能」(渡部氏)と強調する。
住宅オーナーは、住まいでのトラブルがあった場合、同社が設置するメンテナンスサポートデスクに連絡。内容を確認し、住宅事業者へ取り次ぐべき案件かどうかを判断する。高収益案件に発展しそうなリフォームや大規模修繕などは住宅事業者に。それ以外は同社で対応する。住宅事業者と結ぶ業務委託契約は、「住宅事業者の要望に応じて、それぞれカスタマイズされている」(渡部氏)。
業務委託契約で住宅事業者が支払う金額は月額30 万円から。コール数やOB 物件の保有数などに応じて金額が異なる。例えばOB 物件延べ1000 棟程度の住宅事業者なら月額30 万円で年間360 万円程度となるが、「コストをかけてアフター担当を採用しても、育成する手間や採用しても辞めてしまうケースが多くなってきている。このサービスを利用してもらうことで、住宅事業者のリスク軽減にもつながる」と渡部氏。
今回のサービスの骨格となる取組みを、同社は大手不動産と連携し、2年前から展開している。そこでは月間平均900 件のクロスや設備系などのメンテナンス対応を行っており、中には大型リフォームの受注につながった例も。「メンテナンスへの対応をきちんとすることで、リピーター育成に繋げることができる」(渡部氏)と自信を見せる。
サービスは原則、日本全国どこでも導入が可能。9月のサービスリリース後、既に2社が契約し、現在、地方工務店など数社とも交渉中という。今期中に20 社を目標とする。渡部氏は「このサービスで、住宅事業者のアフター業務の負荷軽減とリピーターの育成を後押ししたい」と強調する。
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