ミサワホーム、木質系工業化住宅の最上位ブランドに初の企画商品投入
暮らし方に合わせ、4層2階建と1.5層の平屋の2タイプ提案
ミサワホームは、木質系工業化住宅の最上位ブランド「CENTURY」で、初の企画タイプ商品「CENTURY Stylepro」を売り出した。暮らし方に合わせて、4層2階建と1.5層の平屋の2タイプを提案する。
センチュリーモノコック構法は非常に好評で、現在同社のパネル受注の30%を占める。
一方で、注文住宅であるセンチュリーは仕様を決めるなど、住宅着工に至るまでの時間もかかり、顧客も同社もストレスを抱える課題もある。今回、企画商品を投入することで、打ち合わせなどの時間を削減し、20%ぐらい生産性を向上させる狙いだ。センチュリーモノコック構法での目標棟数はCENTURY ブランド全体で 2500棟(2019年度)。そのうちの10%ぐらいを企画商品としたい意向だ。
今回投入した「CENTURY Stylepro」は、30、40代の共働きファミリーを中心に売り込む。フィールドメニュー、6つのインテリアスタイル、2タイプ10プラン(1.5層の平屋・4層2階建て各5プラン)を組み合わせることで、顧客の理想の住まいを実現する。
ライフスタイルの多様化から、ハレの日やちょっとしたイベントに友人などを招き、ホームパーティーを催すケースも増えている。こうした変化に対応し、1階のパブリックスペースは、最高約3mの高天井×幅約4.5mの大開口、最大26帖の広々とした大空間を実現。リビングだけでなく、庭とのつながりを生かしたおもてなし空間とする「アウトリビングスタイル」や、ひとりや家族で映画鑑賞を楽しむ「シアタールームスタイル」など様々な生活スタイルを想定した空間「シーズンリビング」を用意する。
子どもが宿題をしている傍らで家事をする。子どもが遊んでいる姿を確認しながら、自宅で仕事をする―。働き方改革などから、暮らし方にも変化が起きている。一人ひとりの時間もつながりも大切にしながら、心地よく暮らせる工夫として、つかず離れずの距離感を立体的に取り入れたスキップフロア設計による書斎やホームコモンズ空間を用意。家族で家事シェアができるキッチン(RDキッチン)や家事効率を考えた水回り動線、入浴前後の時間を自分らしく楽しむバスコートなども提案する。
今回は、異なる勾配の屋根の組み合わせにより太陽光発電システムの搭載量を増加させる屋根形状「ECOフォルム」により、標準仕様でZEHに対応。庭のIoTシステムも導入。外灯の ON/OFF や調光・調色、ネットワークカメラで庭の状況確認、天気予報と連動してドリップルーバーや散水ミストを制御、インターホンと連動し、訪問者に対応するなど、庭の管理や防犯・見守り機能をスマートフォンとつなげている。注目は、ドリップルーバーだ。水滴の下垂を利用し、“水の人工的なカーテン”を作り出し、放射で、涼風を届ける仕組みだ。同社によると、風化(50㎝程度まで)の気温が約1℃下がるという。
同社取締役専務執行役員の作尾徹也氏は、「ある程度の方向性を持ったパッケージを提示することで、お客さま目線に立った効率化を図っていく」と話した。
フィールドメニューは、住まい手の叶えたい暮らしの目線から用意。例えば、夫婦共働きで、子育てしているケースでは「ゆとり家事」を提案。家事のしやすいスムーズな動線と、料理をサポートしてくれる便利なアイテムとの組み合わせで、家事に費やす時間を短縮。キッチンやバスルームなどの水廻りの集中設計や洗濯作業がスムーズになるランドリー動線などを確保する。
叶えたい暮らしのメニューを決めたら、次はインテリアスタイル。重厚でグレード感のある家具を取り入れた格調高く落ち着いたスタイルや、洗練されたインテリアにアクセントカラーなどを取り入れた遊び心を強調したり、木のぬくもり感を演出したり―6つのインテリアスタイルから選ぶ。
そして同社が住宅として提案するプランは平屋と4層2階建てでそれぞれ5つ。「贅沢なバスタイムをのびのびと味わいたい」との思いには、1.5階に、洗面所から利用しやすい半屋外の「バスコート」が設置できる、平屋タイプを提案。近年、増えている平屋の新たなつくり方としても注目されそう。
参考価格は、2階建て「33-2SE – 1」(建築面積62.19平方メートル)、平屋「30-1SE-1」(建築面積106.32平方メートル)で2800万円(税込み)。
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