パナソニック ライフソリューションズ社 ショールーム戦略で新機軸

接客の社内認定制度を開始


パナソニック ライフソリューションズ社は、ショールーム戦略で新機軸を導入する。接客を行う人材の社内認定制度を本格始動、期待を上回るレベルまで接客の質を向上させ、新築・リフォームでの受注拡大などにつなげる。


パナソニック ライフソリューションズ社(以下、パナソニック)は、ショールームでの接客で、独自の社内認定制度「マイスター(MS)制度」を本格的に開始した。ショールーム接客業務での専門知識、接客スキルで一定基準を満たした人材に「マイスター」の称号を与え認定する。

これまで、パナソニックではショールームでの接客を担うアドバイザー・コンシェルジュ(AC)のレベルを評価する仕組みがなく、スキルの高い人材が埋もれていたという。このため、新制度を開始することでスキルの高い人材を見える化するとともに、MSを育成することで接客のレベルアップを図る。

MSの認定は、住宅照明に関連した「あかりマイスター」、リフォームに関連した「くらしリフォームマイスター」、キッチンに関連した「キッチンマイスター」の3種。それぞれの種で能力に応じ「ゴールドマイスター」と「シルバーマイスター」の2つのレベルで認定する。

MSの認定要件は厳しい。商品知識を問う社内の検定試験で90点以上を取得することに加え、建築士、福祉住環境コーディネーター、インテリアコーディネーター、インテリアプランナー等の公的資格のなかで一つ以上取得することを求める。さらに、施工研修・実習への参加、関連リフォーム会社等での提案営業の実施経験、来場者からの一定基準以上の評価が必要だ。

これらを満たして初めてシルバーマイスターに認定。加えて、筆記テストと面接を通過した者にゴールドマイスターの認定が与えられる。

認定要件の中でも特にこだわりハードルを高く設定したのが、来場者からの評価だ。パナソニックではショールーム来場者に対し、満足度等を聞く「お客様アンケート」(左画像)を実施している。この中でACの接客に関して5つの質問に5段階で回答する項目を設けているが、MSを取得するためには、来場者の6割以上から5つの質問すべてで5点満点の評価を得なければいけない。

ACの年間の接客数は平均400人。このうち6割以上で“オール5”を取るのは簡単なことではない。パナソニックの全国のACのオール5の獲得率は2018年度で平均36%であることをみると、6割以上を取ることがいかに難しいかが分かる。

MSを示すピンバッジ。MSは一度認定を取得しても安心できない。質を確保するため認定は更新制としており、シルバーは単年度、ゴールドは3年ごとに、認定条件を満たすか試験等で確認する
図面だけでなく、手書きのイラストで暮らしをイメージできる「一味違う」提案を行なっている。こうした点も、ショールーム来場者の驚きになり、結果的に満足度の向上につながっている

マイスター認定者を23年度までに7倍に

2018年度のMS認定者は10名だった。全国68か所のショールームのA C は約700人いることを考えると、今のところMS認定者は一部にとどまっていると言える。このため、5年後の2023年度には7倍の70名に増やしていきたい考えだ。

MS制度は、新築・リフォーム両方の接客を対象としているが、特にリフォームでの顧客満足度の向上が見込めそうだ。既存住宅の状況とリフォームのニーズは多様であるため、来場者に合わせた提案を行うためには、高いレベルの接客スキルが必要になる。それだけに、今後、スキルの高い提案を行えるMSが増えていけばリフォーム需要の開拓を図る糸口になりそうだ。

暮らし発想の提案で気づき・驚きを与える

パナソニック リビング ショウルーム 横浜 お客様担当  小澤さん
「キッチンマイスター」「くらしリフォームマイスター」

──マイスターの認定を取るためには、来場者の6割以上から満点評価を獲得しなければならず簡単ではありませんが、小澤さんは2種で獲得しています。獲得できた秘訣を教えてください。

ポイントは、お客様に「気づき」や「驚き」を与えるレベルまで、接客のレベルを持っていけるかだと思います。最初に、「どのような商品をお求めですか」と商品の提案から入ってしまいがちですが、まずはお客様が今どのような暮らしをしていて、これからどのような暮らしをしたいかを丁寧にお聞きしたうえで提案を行う。表層ではなく深層心理を読み解いた一歩進んだ提案をすることで、お客様に「気づき」や「驚き」を与えることができ、商品の購入にもつながると思います。また、タイミングの問題などでその場では購入に至らなくても数年後に購入に至ることも多いです。マイスターの認定を獲得したことで自信や励みにつながっています。これを機に身を引き締め、もっと接客のレベルアップを図っていきたと思っています。



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