行政 |  2019.9.17

国交省、省エネ法改正受け政省令案を公表

説明義務化にらみ簡易な評価方法など盛り込む


国土交通省は9月5日、改正建築物省エネ法の成立を受け、省エネ性能評価方法の簡素化などを盛り込んだ政省令などの案を公表した。10月4日まで実施するパブリックコメント(意見公募)を経て、公布を目指す。

省エネ法の改正で、延べ面積300㎡未満の小規模住宅を新築する際に、建築主へ設計者や建築士が省エネ性能に関する説明を義務付けた。これにより、中小工務店などでも、建てる住宅が省エネ基準に適合しているかどうかを確認する必要があるため、それぞれで省エネ性能を評価することが求められる。現状では、外皮性能と一次エネルギー消費性能を計算する際、外皮面積や性能値の把握など煩雑な作業もあり、中小工務店では負担が大きいとして、簡易な省エネ性能評価方法を追加する。

案として、戸建住宅の外皮性能では、部位別の外皮割合を固定値とするなど、断熱材や窓の仕様だけの情報で外皮基準への適否を判断する手法を盛り込んだ。一次エネルギー消費性能も、空調設備の効率などの詳細な仕様を固定値とし、空調設備の種類などの簡易な情報だけで適否判断ができるようにしている。(図1・2)

小規模建築物でも省エネ性能の簡易評価方法を導入。基本的な計算方法はモデル建物法と同様にしつつ、建物全体のエネルギー消費量に影響が小さい項目をデフォルト化し、入力項目を3分の1に削減する。入力項目は外皮、各設備の主な使用のみの入力となる。(図3)

また、伝統的構法の住宅では、両側真壁の土塗壁を採用するなど、省エネ基準の適合が困難な場合もある。このため、所管行政庁が地域の気候、風土に応じた住宅(気候風土適応住宅)と認定した場合、届出義務制度にかかる省エネ基準が一部緩和されている。小規模住宅については説明が義務付けられるため、同様の緩和措置が必要とされている。同省では、緩和措置の対象となる仕様の例示イメージを示した。

図1 簡易計算シートのイメージ
図2 簡易計算シートのイメージ~6地域、連続暖房(ルームエアコン)の例~
図3 評価方法のイメージ(モデル建物法との比較)

住棟単位の評価、外皮基準は0.75以下に

改正法では、省エネ基準に適合しない新築等の計画に対する指示や命令などの監督体制を強化するため、所管行政庁による計画の審査(省エネ基準への適合確認)を合理化した。これを受け、マンションなどの省エネ性能評価方法を簡素化する。これまで住戸ごとに評価していた外皮基準、一次省エネ基準を住棟単位で評価する。簡易に行う評価方法として、各フロアーの基本情報(高さ、階数、各フロアーの住戸面積、建材や設備の仕様など)をもとに、各住戸を単純化し、住棟全体を評価する計算方法を導入する。外皮基準はこれまでの0.87以下から0.75以下にする案とした。

改正法では、これまで一部の建売戸建住宅だけが対象だったトップランナー制度に注文戸建住宅と賃貸アパートが追加。これを受け、改正する政令案では戸数の下限を、注文戸建住宅で年間300戸、賃貸アパートで1000戸とした。



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