(一社)住まいの屋根換気壁通気研究会、住宅の耐久性向上に資する知見を発信
5年の研究活動の集大成を書籍化
(一社)住まいの屋根換気壁通気研究会は、住宅外皮の耐久性向上に資する知見を書籍「住まいの耐久性大百科事典Ⅰ」としてまとめた。長寿命な住宅づくりに欠かせないバイブルとして普及を目指す。
同研究会は、住宅の通気・換気部材などを製造販売するハウゼコ(大阪府大阪市、神戸陸史社長、同協会理事長)などが中心となり、2014年に発足した。住宅の小屋裏換気、壁内通気に関わる調査研究を通じて木造住宅の耐久性向上を実現することを目標に掲げる。理事として東京大学の坂本雄三名誉教授、東海大学の石川廣三名誉教授、近畿大学建築学部の岩前篤教授、松尾設計室の松尾和也代表取締役などが就任。発足当時、会員数は20社程度だったが、現在、個人会員58 人、法人会員64 社にまで増加している。
研究会発足以来、ほぼ毎月、住宅の耐久性に関する各種テーマについて、メンバーによる勉強会を40回以上実施してきた。こうした5年にわたる活動の集大成として、住宅の耐久性向上に資する知見を集め、書籍「後悔しない住まいづくり 住まいの耐久性大百科事典Ⅰ」をまとめ、2019年6月に発刊した。神戸理事長は、「住宅の外皮に関する基礎知識を拾い上げ、ハウスメーカーの営業マンなどが読んでも分かりやすいように心がけ、解説を加えた。日本の住宅の長寿命化に役立ててもらいたい」と語った。
実証棟で外皮内通気効果を検証
通気の効果、リスクを明らかに
研究会では、国土交通省・建築技術高度化事業の採択を受け、外皮内通気効果を検証する実証実験を行い、パラペットとルーフバルコニーの耐久性向上に関する技術開発を進めている。こうした実験成果も住まいの耐久性大百科事典Ⅰに収録した。この実験は、木造住宅の陸屋根とルーフバルコニーの耐久性向上に不可欠な、水分を適切に排出するための部位内部の通気手段について、同一の実証棟で、換気部材ありの開閉型の構造システムと、換気部材なしの閉塞型の構造システムを用意し、性能比較することを目的とする。その結果、換気部材なしの構造システムでは、施工中の雨によって水を含んだ屋根下地合板全体から、日射などによって水分が天井裏空間に放出され、閉塞空間が常に高温状態となることなどが明らかになった。2019年度も実証実験を継続し、外皮内通気効果を検証する。この実験を担当する岩前教授は「人生100年時代といわれる中で、住宅の耐久性の重要性は高まっている。研究会の活動を通して、通気の効果、リスクを明らかにし、発信していきたい」と述べた。
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