その他 |  2019.7.11

ラディクールジャパン 世界が注目の放射冷却技術で新会社

外部エネルギーを使用せず優れた省エネ効果を発揮


新発想の放射冷却技術「Radi-Cool(ラディクール)」の日本国内での普及を目指し、新会社「ラディクールジャパン」が設立された。住宅、工場、農業ハウス、太陽光発電、自動車など様々な分野での応用が期待されている。


Radi-Cool 放射冷却技術とは、地球の表面から宇宙に熱が逃げ、物体が冷却される放射冷却の原理を利用して、エネルギーを使わずに物体を冷却できる技術。地球の表面から放出されるほとんどの赤外線は大気に吸収されるが、波長8~ 13 マイクロメートルの赤外線は、大気をすり抜けて、宇宙に放出される特徴を持つ。この原理を応用し、楊栄貴氏ら中国人科学者を中心とする米コロラド大学の研究チームが、赤外線の波長を宇宙に放出されやすい波長に変化させて、熱を逃がしやすくする技術を開発した。

Radi-Cool 放射冷却技術を応用したフィルムや塗料を、建物の屋根や発電設備に設置・塗布することで、日中でも低コストで表面や内部を冷却できる。外部のエネルギーを使用せずに物体を冷却できる技術はこれまで存在せず、環境負荷をかけずに省エネ効果を高められる技術として注目を集めている。従来の断熱材などの温度は、大気の温度と同程度になるのに対して、Radi-Cool 放射冷却技術を応用したフィルムは、大気中の温度と比較して10 度低くなることが、同社の実験で分かっている。世界的に権威ある科学雑誌「サイエンス」にも掲載されたほか、英国の経済雑誌「エコノミスト」にも、世界10 大ブレークスルー技術として取り上げられるなど、世界的な関心も高い。

(左から)ラディクー ルジャパンの何軍 代表取締役社長 COO、松本晃代表 取締役会長CEO、楊栄貴Radi-Cool製品開発チーム責任者
Radi-Cool 放射冷却技術について解説する楊栄貴氏

一石三鳥の効果
企業コラボで最適な使用法を模索

既に中国メーカーがRadi-Cool 放射冷却技術のビジネスを展開し、中国、シンガポール、マレーシアなどでフィルム製品などを発売している。

今回、日本での展開を視野に入れて、ラディクールジャパンが設立された。Radi-Cool 技術の普及を図る中国メーカーの日本法人という位置づけだ。代表取締役会長CEO には、カルビーなど多くの企業で取締役を歴任してきた松本晃氏が就任。Radi-Cool 放射冷却技術を応用して建物などを冷却する製品開発、販売を行う。

松本会長は「Radi-Cool 放射冷却技術を使用して、エアコンの台数を減らし、消費電力を減らしていく。結果として化石燃料の消費を減らして、二酸化炭素の放出を減らすなど、一石三鳥の効果が期待できる。フィルム、塗料、繊維など様々な展開が考えられるが、一番Radi-Cool 放射冷却技術が求められる場所はどこなのか。企業とのコラボレーションも積極的に進め、最適な利用方法を見出していきたい。販売目標として、年間100 万㎡が一つのマイルストーンになる」と意気込みを語った。Radi-Cool 放射冷却技術の応用により、住宅建材分野でも、画期的な省エネ効果を発揮する商品開発が進むことが期待される。



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