2019.7.10

トーザイクリエイト 乾式の左官仕上げパネルを提案

海から生まれた新素材を活用

トーザイクリエイト(東京都渋谷区、鶴見伸二社長)は、海水由来成分から誕生したマグエンという素材を活用した、乾式の左官仕上げパネルの提案を強化している。

マグエンは、海水由来のマグネシウム無機塩で構成される粉状の結合材(バインダー)。工学博士の岩原昭次氏が開発したもので、セメント、消石灰に次ぐ、新たな結合材として期待されているという。

海水由来の自然素材であるため、ホルムアルデヒドなどのVOC(揮発性有機化合物)などを含んでいない。また、優れた曲げ強度や非収縮性だけでなく、高付着(接着)力を備えている。そのため、これまでの結合材には混合することが難しかった素材を混合しても、硬化後にひび割れが発生することがない。

トーザイクリエイトでは、このマグエンを活用した「左官仕上アートパネル」を販売している。

これは、左官仕上げの風合いを乾式建材で実現した内装用のパネル。様々な素材を混合できるというマグエンの特徴を活かし、藁スサや麻スサ、杉皮などを使い、和テイストを表現したパネルなどを展開している。

また、廃棄されたコーヒーかすなどを活用することも可能だという。こうした異素材を混合することで、通常の左官仕上げでは表現しにくい風合いを演出することもできる。

また、マグエンそのものが他の素材にはない美しい白色をしており、他の内装仕上げ材にはない印象を室内空間にもたらすという。

乾式仕上げのため施工性にも優れており、養生や乾燥のための工期短縮に貢献する。さらに、現場で簡単に切断できるだけでなく、釘打ちによる施工が行える点も大きな特徴のひとつ。

藁スサ、麻スサ、杉皮などを混ぜることで和のテイストを表現
コーヒーかすなどを混ぜ込み、独自の風合いを演出ることもできる

吸放湿性能などの機能性も付与可能

混合する素材によっては、左官仕上アートパネルに吸放湿性能や脱臭機能などを付与することも可能だ。7月からカキ殻を細かく砕いたものを混ぜて、脱臭・吸湿の機能を付与した「左官仕上アートパネル/ KINARI」の発売を予定。幅や色・風合いの異なるリブボーダーパネルのランダムパターンセットの設計価格は平方メートル当り2万3000 円から(詳細は要問合せ)。

トーザイクリエイトでは、利用者の要望に応じて、デザインや混合する素材などをカスタマイズし、オリジナル品を製造するといった取り組みも進めながら、拡販を進めていきたい方針だ。