空き家846万戸で過去最高を更新
用途持たない「放置空き家」は9%増
空き家数・空き家率が過去最高を更新したことが、総務省の調査で分かった。5年前の前回調査よりも増加幅は縮小、特に問題とされる用途を持たない放置空き家は増加しており、一層の対策が求められる。
総務省は「住宅・土地統計調査」の住宅数概数集計(一部の調査結果を確定数に先がけて公表するもの)で、最新の空き家数・空き家率を公表、空き家数・空き家率が過去最高を更新したことが分かった。同調査は5年ごとに実施しているもので、5年前の前回調査では、空き家数・空き家率が世の中で大きくクローズアップされたため、今回の調査結果に注目が集まっていた。
同調査によると、2018年の空き家数は846 万戸と、2013年に比べて26万戸(3.2%)増加。総住宅数に占める空き家の割合(空き家率)は13.6%と、2013年に比べて0.1ポイント上昇し過去最高を更新した。また、別荘などの「二次的住宅」を除いた空き家数・空き家率は、それぞれ808万戸・12.9%となっている。全体の空き家率については、2008年から2013年が0.4ポイントの上昇であり、今回は上昇幅が小さくなっている。
空き家の内訳を種類別にみると、「賃貸用の住宅」が431万戸(50.9%)、「売却用の住宅」が29万戸(3.5%)、別荘などの「二次的住宅」が38万戸(4.5%)、賃貸用でも売却用でなく放置されている「その他の住宅」が347万戸(41.1%)。
また、2013年と比べると、「賃貸用の住宅」が2 万戸(0.4%)の増加、「売却用の住宅」が1万戸(4.5%)の減少、「二次的住宅」が3万戸(7.3%)の減少、「その他の住宅」が29万戸(9.1%)の増加となっている。
今回の調査では空き家率の上昇幅が縮小したが、この結果を見てみると、「売却用の住宅」と「二次的住宅」の空き家率が下がったためだということが分かる。一方で、「賃貸用の住宅」と「その他の住宅」については上昇しているため、安心してはいられないと言えそうだ。特に、放置空き家とも言われる「その他の住宅」については、9.1%と大きく上昇。長期間放置されていると、建物の状態が悪くなっていき、治安の悪化などを引き起こすだけに早急な対策が必要だ。
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