【業界動向】日本繊維板工業会 床台板向けの商品開発が活発化

告示改正で耐力面材利用の拡大にも期待

  


木質ボードには、木材を小片にして接着剤を加え、高温・高圧でプレスしたパーティクルボード(PB)と、木材を繊維状にして成形してつくる繊維板がある。

「木質ボードは、建材・木工・家具・建具などの住宅用途が多く、新設住宅着工数に少し遅れて連動する。2018 年の実績は前年に比べて微減となる見込み」(日本繊維板工業会 長谷川賢司専務理事)。2017年の木質ボードの需給実績を見ると、最も多いのは、PB で1621㎥、次いでMDF が985㎥、IB(インシュレーションボード)が331㎥、HB(ハードボード)が47㎥。PB は輸入量が国産の2分の1程度あり、主たるものは、OSB が4割、メラミン化粧板3割。MDF は輸入が国産を上回っているが、このうち約8割が日本企業の海外子会社の製品だ。

この10 年、事業者や供給量に大きな変化は見られないが、用途や市場では大きな変化が生じている。まず、複合フローリング向けのMDF やPB の用途拡大が顕著だ。10 年前は、フロア台板として主にラワン材が使用されていたが、環境保護を目的として、ラワン材から、そのほかの輸入合板、国産合板などへの切り替えが進む。結果として、耐傷性、平滑性に優れたMDF やPB と組み合わせて使われることが増えている。10 年前の複合フロアは、ラワン合板を台板として用いた「複合1種」が7割、「複合3種」(MDF +輸入合板、MDF +国産合板、PB 単層、MDF単層の合計)が3割だったが、2012 年に、逆転し、2017 年には複合3種が7割を超えた。

「いかに複合フロアに合う、強度、耐水性などを備えた木質ボードを開発していけるかが、業界全体で取り組むべき課題となっている」(長谷川専務理事)。

2018 年3月に、耐力壁の改正告示が施行され、高倍率の耐力壁に厚さ9㎜の構造用PB、構造用MDFが使えるようになったことも、業界にとって大きなトピックだ。より高い耐震性能が確保しやすくなるとともに、プランの自由度が高まり、都市部の狭小地の建築への対応も容易になる。工業会各社は、既に壁倍率の大臣認定を取得した構造用PB や構造用MDF を展開しているが、大臣認定よりも、告示対応の耐力面材の方が、建築確認などの書類審査をスムーズに進めやすいというメリットもある。また、中小ビルダーの間でも、筋かいから耐力面材への切り替えが進んでいる。「今後、徐々に告示対応の高耐力な構造用PB、構造用MDF の採用が広がっていくことを期待している」(長谷川専務理事)。工業会としても今回の告示の内容を分かりやすく解説したパンフレット「木質ボードの耐力面材」を作成し、PR 活動を強化する。

木質ボードは、リサイクル率が高く、環境性能に優れた建材であることも特長の一つ。持続可能な社会の実現に向け、SDGs というキーワードが注目され、国や自治体、企業などが取り組みを活発化している。「環境意識の高い事業者へ、木質ボードの環境性能を積極的にアピールすることで、需要増につなげていきたい」(長谷川専務理事)考えだ。

日本繊維板工業会の長谷川賢司専務理事は、「この10年で、木質ボードの用途や市場では大きな変化が生じている」と話す

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