積水ハウス 2019年1月期決算、売上高で過去最高更新
ストック型、開発型ビジネスが下支え
積水ハウスの2019年1月期決算(連結)は、売上高で2兆1603億円と3期連続で過去最高を更新した。ただ、主力の戸建てやアパートでの請負ビジネスが振るわず、営業利益は9期ぶりのマイナスとなった。
売上高の伸び率は前年比0.04%の微増にとどまった。戸建住宅での前期の受注減や賃貸住宅の大型化による工期の長期化、国際事業の不振などが影響。その落ち込み分を不動産フィーなどのストック型と都市再開発などの開発型の両ビジネスの伸長でカバーした形だ。営業利益は前期比3.2%減の1892億円。経常利益が1951億円、純利益は1285億円とそれぞれ前期を4.2%、3.5%下回った。
売上高をセグメント別でみると、戸建住宅は前期比3.6%減の3579億円。賃貸住宅は4160億円で前年を6%下回った。
過去最高の売り上げを下支えしたリフォーム事業は前期比3.3%増。従来のメンテナンス型から提案型や環境型のリフォームに転換したことが奏功した。仲井嘉浩社長は「500万円以上の受注が増え、中には1000万円以上も」と好感触をつかむ。不動産フィー事業は4.9%増の5140億円だった。
都市再開発事業は前期比67.1%増の1733億円。同社開発の商業ビルや賃貸住宅「プライムメゾン」などのグループ保有賃貸物件の入居率が堅調だったことなどが貢献した。マンション事業は895億円(前期比15.6%増)、分譲住宅事業は1488億円(同4.2%減)だった。
2109年度も底堅く、4期連続最高益目指す
主力の戸建て住宅と賃貸住宅の請負で前期マイナス成長となった同社だが、19年度の見通しで悲観さはうかがえない。というのも、同社が取り組む、高付加価値住宅の提案が着実に成果を挙げているためだ。例えば、鉄骨住宅上位商品モデルの割合は18年で84%。13年(48%)比で大幅に高まっている。ZEH化や制震システムの導入や空気環境配慮仕様の採用比率も高まり、1棟当たりの単価が18年は3875万円と14年比で9%上昇している。賃貸でも3、4階建ての比率が上昇。シャーメゾン1棟当たりの受注単価は18年に1億円を超えた。
また、昨年4月に実施した、戸建と賃貸の本部を完全分割するなど大きな機構改革がイベント戦略や商品開発に結び付いていることも大きい。「8月から受注は回復し、受注残も積み上がっている」(仲井社長)。
19年は戸建住宅事業で当期比9%増の3900億円、賃貸住宅では同5.3%増の4380億円をそれぞれ見込む。主力の請負型ビジネスでの増収見通しを背景に、同社は19年度の全体の売上高で当期比9.6%増の2兆3670億円、営業利益で同8.3%増の2050億円、純利益で8.1%増の1390億円を目指す。仲井社長は「過去最高の売り上げと最高益を更新したい」と意気込む。
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