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2019.4.5

YKKグループ経営方針説明 さらなる樹脂窓化で2020年度に窓全体の3割に

東北製造所にライン新設 トリプルガラスを普及

2019年度に向け、YKKはグループの経営方針説明会を開催した。AP事業では、さらなる樹脂窓化とトリプルガラス化を推進。東北製造所にトリプルガラス製造のラインを新設するなど生産能力の増強を進め、本州エリアでの販売拡大を目指す。2020年度に窓製品に占める樹脂窓の比率を33%にまで高める計画だ。

YKKグループの第5次中期経営計画(2017年度~2020年度)では、「Technology Orienrted Value Creation『技術に裏付けられた価値創造』」という経営ビジョンのもと、「商品力と提案力」「技術力と製造力」「人材育成」を最重要ポイントとして掲げ、営業利益率8%以上を確実に達成し、ROE(株主資本利益率)5%以上を目指す。グループ全体では、最終年度の2020年に、売上高8493億円、営業利益868億円、営業利益率10.2%、純利益635億円の達成を目指す。

第5次中期経営計画の2年目の2018年度のYKKグループの連結売上高は7735億円と前年度から3%増加(計画比97%)した。営業利益は、前年比1%増の596億円(計画比91%)、営業利益率は7.7%で、前年比0.2ポイント減となる見込み。純利益は同6%増409億円で、計画比81%となる見通し。

「さらなる樹脂窓化とトリプルガラス化を推進する」と話すYKK APの堀社長

ファスニングは計画通り増収増益
初の100億本を突破

2018年度のファスニング事業の売上高は同4%増の3378億円(計画比99%)、営業利益は同3%増の542億円(計画比100%)となる見込み。

アジアにおける供給基盤強化と顧客需要の補足や、米国や欧州での高付加価値品の増販などにより増収。営業利益は、中国・アジア地域を中心に増産対応や、賃金上昇による労務費の増加、原材料単価の上昇、営業・開発体制の強化による販売管理費増などの減益要因があったものの販売ボリュームの増加および操業効率の向上に加え、コスト削減効果により前年に対して増益となる見込み。

2018年度のファスナー販売本数は前年比6.5億本増の101.8億本となり、初めて100億本を突破した。地球50周超の長さに相当するという。

APの営業収益は原材料費などの高騰で微増に

2018年度のAP事業の売上高は同3%増の4300億円(計画比96%)、営業利益は前年比増減なしの221億円(計画比83%)。国内については、窓の高断熱化に向けた樹脂窓とアルミ樹脂複合窓の拡販や、窓・玄関ドアとエクステリアのトータルコーディネート提案の拡大、さらに、断熱・耐震を軸とした開口部リフォームの需要創造に取り組んだ。また、ビルについては、2019年3月31 日に、(一社)カーテンウォール・防火開口部協会が取得しているビル用サッシの通則認定の運用が終了するため、防火個別認定品への対応準備を進めた。一方、海外については、建築市場が堅調に推移する米国の西部地域での営業提案を強化。また、中国では大手不動産開発市場への提案力強化により受注を拡大し、台湾・インドネシアでは差別化商品の開発やアイテム拡充を進めた。その結果、国内・海外の連結業績は増収となり、営業利益は、市況価格変動、原材料・資材価格高騰の影響を受け微増となる見込み。

2019年3月に発売するトリプルガラス樹脂窓「APW430」引き違い窓。断熱強化にこだわったブルー色ではU値1.05W/(平方メートル・K)を実現した

生産体制強化で本州でもトリプルガラス樹脂窓を普及

2019年度もAP事業では、「高付加価値化と需要創造によるAP事業の持続的成長」を事業方針に掲げ、各事業・業務領域で重点施策を進める。

国内住宅事業では、さらなる樹脂窓化とトリプルガラス化を進め、窓の高断熱化を引き続き推進する。2019年9月、東北製造所に8億円を投資してトリプルガラス樹脂窓「APW430」、ペアガラス樹脂窓「APW330」の兼用ラインを新設するほか、10月に6億円を投じ北海道工場の「APW430」、大開口を確保できる北海道限定のペアガラス樹脂窓「プラマードH」の生産ラインを再構築するなど、生産能力を強化する。

また、2019年3月25日には、「APW430」引き違い窓を発売する。APW430は、2018年度に北海道の新築戸建て住宅へ採用された同社の窓の約3割を占めるまで増加している。全国でニーズの高い窓種である引き違い窓をラインナップに加えることで、トリプルガラス樹脂窓の本格普及を目指す。

YKK APの堀秀充代表取締役社長は「高性能住宅へのニーズが高まる中で、北海道だけでなく、本州においても「APW430」の販売が伸びている。生産体制の強化、窓種の拡充でニーズにしっかり応えていきたい」と話した。同社の窓製品に占める樹脂窓化率は2018年度が24%。これを2019年度に27%、2020年度に33%にまで高めていく計画だ。また、暮らしに安心と快適性を提供する高付加価値製品の販売を強化し収益拡大を目指す。2019年3月に戸締り安心システムを発売。IoT技術を駆使してドアや窓の締め忘れをスマートフォンに通知する。

また、2019年4月に主力の玄関ドアをフルモデルチェンジし「ヴェナート D30」として発売する。断熱性能を従来比12%向上、通風デザインを強化したほか、ドアを彩るオプションなどを充実させた。さらに、通風・採光機能や防災対策、防音対策などの効果を訴求し、シャッター、とくにより簡単に操作できる電動化シャッターの販売にも注力する。

エクステリア事業では商品力をベースにした販売強化を図る。2018年6月に発生した大阪北部地震以降、ブロック塀からの取替でフェンス需要が拡大しており、同社の2018年度のフェンスの販売実績は前年度比21%増。また、大雪・台風などに対するカーポート需要も拡大しており、2018年度の販売実績は同15%増となった。2019年度もさらに販売を強化し、伸長する需要の取り込みを狙う。

リノベーション事業では「大開口・耐震・高断熱」と「防災・防犯」をキーワードに需要創造による成長戦略を進める。2018年度の販売実績は、窓リフォーム「かんたん マドリモ」が同38%増、ドアリフォーム「かんたん ドアリモ」が同15%増と好調に推移。2019年度からスタートする次世代住宅ポイント制度で、さらなる販売促進効果が期待できそうだ。

そのほか、品質本部を新設し、サプライチェーン全プロセスにおける品質確保を強化する。2018年5月に同社の個別認定品の防火サッシの不備が発覚し、是正、再発防止に取り組んだ。「製品の開発プロセスに加えて、受注から量産、発売後までの品質をさらに強化するために品質本部を立ち上げる」(堀社長)。

一方、海外AP事業では、「基盤の再強化とターゲット市場の拡大」を目指し、米国・中国・アジア地域での販売を強化する。

2019年度のAP事業(国内・海外)の売上高は前年比4%増の4471億円、営業利益は同8%増の239億円を計画する。

全国でニーズの高い窓種である引き違い窓をラインナップに加えることで、トリプルガラス樹脂窓の本格普及を目指す

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特集:

2030年住宅への設置率6割は可能か
初期費用、条件不利地域へのソリューション

国は2030年に住宅での太陽光発電の設置率6割を目標とする考えを示した。
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