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旅するような暮らしをテクノロジーで 日本の賃貸市場に新風起こす

OYO TECHNOLOGY&HOSPITALITY JAPAN  CEO 勝瀬博則

インドのITホテルベンチャー「OYO」、ヤフーと賃貸で合弁会社

デジタルテクノロジーを強みに、急成長を遂げる南アジア最大のホテルチェーン「OYO(オヨ)」(リテシュ・アガルワルCEO)は、ヤフーと合弁会社「OYO TECHNOLOGY&HOSPITALITY JAPAN」を設立し、日本の賃貸住宅管理業界に参入した。なぜ、実績のあるホテルではなく賃貸住宅管理なのか、勝算はどこにあるのか――、新会社の勝瀬博則CEOに聞いた。

OYO TECHNOLOGY&HOSPITALITY JAPAN  CEO 勝瀬博則

──日本で、急成長しているホテル事業ではなく、賃貸住宅管理事業に参入される狙いを教えてください。

テクノロジーで日本の不動産業界を変えていけると考えているからです。私たちは8か国500以上の都市に展開し、約45万部屋を取り扱う南アジア最大のホテルチェーンです。2013年からサービスを開始し、インドでは350都市で10万部屋以上を展開し6年前にシェアナンバーワンを獲得、中国では171都市で8万7000部屋以上を展開しシェア3位に位置しており、急成長しています。

成長の理由はITやIoT、AIといったテクノロジーの導入です。インドや中国のホテルはほとんどが個人オーナーの所有です。インドや中国では市場に数千万室にも及ぶ宿が供給されていますが、その中で個人オーナーが集客を図ることは容易ではありません。ITを入れてオンライン予約ができるようにし集客の効率化を図ろうにも、大手ホテルチェーンのような資本力が足りないので難しい。このため、「OYO」ブランドに加盟したホテルに対し、私たちがオンライン予約システムを提供し、AIも導入しながらネットを通じてあらゆる手段を講じて集客を代行してあげる。さらに、管理運営においてもITのシステムを導入することで効率化を図っていますし、一部のホテルにはスマートロックも導入しIoTで付加価値を創出する取り組みも行っています。

日本市場への参入にあたっても、強みであるテクノロジーを生かそうと考えました。ホテル事業や民泊での参入も検討しましたが、まだIT化が不十分な分野を探しました。その結果、賃貸住宅業界がITの導入が遅れており、市場も大きく、これまで培ってきたホテル事業でのテクノロジーのノウハウも生かせると判断しました。

私たちはそもそもIT事業者であり、ホテルはI Tを導入して効率化を図る分野のひとつにすぎません。日本ではそれがホテルではなく賃貸住宅の分野だったのです。

OYO TECHNOLOGY&HOSPITALITY JAPANは、“旅するような暮らし”という新たな賃貸住宅市場を切り開く

──新会社では具体的にどういったサービスを提供していくのでしょうか。

ホテル事業のノウハウも生かしながら、個人の賃貸住宅オーナーを中心に賃貸住宅を借り受けサブリースで運営するサービス「OYO LIFE」を提供していきます。“旅するように暮らす”という価値観に基づき、ITやIoT、AIを導入しながら、ホテルに宿泊するように部屋を借りることができる新しい賃貸住宅を提案していきたいと思っています。

そのために、賃貸住宅の契約にITやAI、IoTのシステムを導入しながら、住み替えのハードルを下げるサービスを提供します。「OYO LIFE」の専用サイトを立ち上げ、そのサイト上で入居から退去の手続きまでを申し込めるようにします。そうすることで、ユーザーが不動産会社に行かなくても、いつでもどこでも手続きを行えるという状況が可能になります。

また、3日間の「住み試し」サービスも提供し、実際に住んでみてから契約するかどうかを検討できるようにします。物件にスマートロックを導入することで、いつでもどこでも住み試しサービスの予約を行え、好きな時に住み試しできるような世界観も構想しています。このほか、敷金・礼金・仲介手数料はゼロとすることで、初期費用を抑え住み替えを促します。

管理運営においても、“旅するように暮らす”という価値観に基づいたサービスを提供します。各部屋ごとに家具・家電は完備されていますし、Wi︲Fi、公共サービスといったライフラインもあらかじめ引いてありますので、引っ越しの手間を大幅に減らすことができます。また、定期的なハウスキーピングなどの生活利便サービスも提供しますので、ホテルのように快適に過ごしていただけます。

IoTの導入も検討しています。前述したスマートロックだけでなく、スマートスピーカー、スマートエアコン、生体情報を取得し健康をサポートするスマートベッド、スマートインターホンなど、将来的には、部屋中のあらゆるものをIoT化することで、生活利便性を高めます。OYOでは、IoT機器を自社開発していますので、コストを抑えて導入できることが強みです。

──展開エリアや目標など、今後の展望を教えてください。

東京都内の6区(渋谷区、目黒区、新宿区、中央区、文京区、千代田区)を中心に、「OYO LIFE」の管理物件を増やしていくつもりで、今年3月末までには、1000件に達する予定です。そして、今後は東京以外での展開も検討しています。

管理物件の拡大にあたっても、テクノロジーを活用していきます。様々な不動産ビッグデータをもとにAIで適正賃料を算出し、しっかりと利益が確保できると判断したものに関しては家賃保証も付けてサブリースを行っていきます。一緒に合弁会社を設立するヤフーには、膨大な会員もいますので、管理物件を増やしていくうえで、連携していける可能性もあると考えています。また、ヤフーは電子決済サービスなどの様々なサービスも持っているので、サービスでの連携もありうるかもしれません。

賃貸住宅市場は人口減少の中で、ここ数年は過剰供給が続いたため、先行きが不透明だとの見方もありますが、私は非常に可能性があると考えています。そもそも賃貸住宅市場は12兆円と大きく、仮に半分になったとしても6兆円の規模がある。さらに、効率化や付加価値を創出できる余地は大きい。それだけに、ホテル事業で培った集客と管理運営のテクノロジーのノウハウを活用しながら“旅するように暮らす”という価値観の新たな賃貸住宅市場をつくることができれば、「OYO LIFE」が日本で成功する勝算は大きいと思います。

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特集:

2030年住宅への設置率6割は可能か
初期費用、条件不利地域へのソリューション

国は2030年に住宅での太陽光発電の設置率6割を目標とする考えを示した。
現状の設置率は1~2割とみられ、非常に高い目標と言える。
100万円以上を必要とする「高額な初期費用」や、十分な発電効率を得るのが難しい「条件不利地域」といった課題があるなか、住宅事業者は設置率6割に向けてどのように取り組んでいけば良いのか──。
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