ウッドステーション、54社で大型パネル生産パートナー会を発足

3年後に1万4000棟の生産体制に 木造プレハブ化にシンクロし流通変革の動き

  


ウッドステーションは2月21日、全国をカバーする大型パネルの供給網の構築を目指し「大型パネル生産パートナー会」を発足した。プレカットメーカーなど正会員32社を中心とする総会員54社でスタート。建材メーカーなど18社も賛助会員として参画しており、大型パネル生産拠点の整備とシンクロして、木造住宅のサプライチェーン変革の兆しも見え始めている。

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ウッドステーションが展開する大型パネルとは、住宅用資材として一般流通している柱や梁、耐力面材、断熱材、サッシ、金物、防水シートなどを工場で一体成型したもの。柱や梁といった構造材までもひとつのパネルに組み込み、躯体施工の負担を軽減する。現在、テクノエフアンドシーの5工場で大型パネルを生産しているが、全国をカバーする大型パネルの生産体制の構築を目指し、70㌔㍍圏を1社で対応できるように大型パネル生産パートナー会の説明会を開催し、プレカットメーカーなどに参加を呼び掛けてきた。2019年2月時点で、プレカットメーカー、2×4コンポーネント、パネルメーカーなど32社の正会員の参加が決定した。大型パネル生産パートナー会の発足により、日本全国に大型パネル製造インフラが整う。木造住宅の品質向上、職人不足に対応した現場の作業環境の向上などに貢献していきたい考えだ。なお、大型パネル生産パートナー会の会長にはウッドステーション社長の塩地博文氏が就いた。

年間60棟以上の受注見込みで
大型パネル生産設備を無償貸与

大型パネル生産パートナー会では、正会員に対して、①大型パネルに関する営業、生産、運搬、建設に関わるノウハウ開示と指導、②大型パネル生産設備の無償貸与、③設計情報処理ソフトの貸与、④サプライチェーン補償などの業務支援を行う。

正会員に無償貸与する大型パネルの生産設備は、2日で住宅1棟分の大型パネルを製造でき、年間200棟の生産に対応できる能力を持つ。正会員は、まず自社の商圏で大型パネルの営業活動を開始し、安定的な受注確保を目指す。月間5棟、年間60棟の受注が見込めることが、生産設備の無償貸与の条件となる。

塩地会長は、「生産パートナーの正会員は、1社で全国各地に複数の工場を所有するメーカーも存在する。テクノエフアンドシーの5工場含め、将来的には約70の工場群になる。各工場がフル稼働して年間200棟を生産すれば、総生産能力は年間1万4000棟に達する。3年後の2021年までに、そのレベルに到達したい」と話す。

大型パネル生産パートナー会では、年間300〜400棟を生産できる大型パネル生産設備のバージョンアップにも着手しており、年間200棟以上の受注が見込める正会員に対して、バージョンアップした生産設備の導入などを支援していく考えだ。

将来的には、正会員の自立も認める。正会員が大型パネルの製造ノウハウを蓄え、品質確認などを行えるレベルに達すれば、自社で材料を調達し、大型パネルを製造・販売することを認めていく。

正会員の募集は打ち切るが、「空白地帯のプレカットメーカーや、住宅事業者などから指名を受けたプレカットメーカーに対しては、引き続き生産パートナー会への参加を促していく」(塩地会長)考えだ。

材メーカー18社が賛助会員
外壁材プレカットなどが進む?

大型パネル生産パートナー会には、建材メーカーなど18社も賛助会員として参画する。「大型パネル生産パートナー会の発足により、精度の高い、標準化されたパネル製造工場が日本全国に整備される。在来木造の工業化、躯体精度の向上とシンクロして、躯体以外の外壁材や内装材などのプレカット化、設備などのユニット化が進むことが期待される。こうした動きに呼応して、さらに高いレベルへと工業化、品質管理を目指すメーカーを賛助会員として募集を続けていく」(塩地会長)。

躯体以外の分野でまずプレカット化が期待されるのは、外壁材だ。生産パートナーの賛助会員に外壁材メーカーのケイミューが加わることは、より高いレベルの外壁プレカットへの機運が高まっていることの現れと言えそうだ。

大型パネル生産パートナー会

サプライチェーン一体化の兆し

大型パネルの生産拠点が整備されることで、木造住宅のサプライチェーンも激変していく可能性がある。これまで現場に個別散在的に搬入されていた建材や設備を工場に一括納品できるようになるからだ。

将来的には、生産パートナー正会員の工場が大型パネルの生産を担うだけでなく、さまざまな建材を取り扱い、加工し、現場へ集配する、地域完結型の「建材ステーション」として発展していく可能性を秘めている。

実際に大型パネル生産工場の整備に伴い、木造住宅生産の流通変革の兆しも見え始める。ウッドステーションの出資企業の一社であり、大型パネル生産パートナー会に特別会員として参加する三菱商事建材は、2019年1月、ウッドステーションから大型パネルの独占販売権を取得した。まずは全国一律で、大型パネルの品質確保と、ブランド力を訴求するため、三菱商事建材が一元的な販売窓口となるというスキームだ。

三菱商事建材は、流通商社の渡辺パイプや野原住環境などと大型パネルの販売代理店契約を締結した。

渡辺パイプは、全国500ヶ所を超えるサービスセンターを持ち、「セディアシステム」というブランドで、水道配管を中心に、建築資材、電材設備、住設機器などを全国4万社の工務店に納入している。2018年3月期のグループ売り上げは約2700億円に上る。野原住環境は、住宅関連の建設資材、設備機器などを販売。とくに内装材の取り扱いで豊富な実績を持つ。

三菱商事建材は、地域の中小工務店などと強固な関係を持つ、渡辺パイプ、野原住環境と販売代理店契約を結ぶことで、より効率的に大型パネルの販売拡大を目指す。渡辺パイプ、野原住環境は、水道配管、内装材などと合わせて付加価値の高い躯体を提供できるようになり、販売単価の拡大が見込める。

こうした新しい動きからは、これまでの木材、サッシ、水道配管、内装材といった建材単体の流通から、大型パネルを中心に、さまざまな建材が一体化する新しい流通へと発展していく兆しが見え始めていると言えそうだ。

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