YKK AP 主力の玄関ドア製品をモデルチェンジ
2年以内に売上140億円を目指す
YKK APは主力の玄関ドア製品「ヴェナートシリーズ」をフルモデルチェンジし、新たに「ヴェナート D30」を4月8日に発売する。2年以内に140億円、20万セットの販売を目指す考えだ。
YKK APは住宅用玄関ドア製品の一つである「ヴェナート」シリーズを10年ぶりにフルモデルチェンジし、「ヴェナート D30」として4月8日に発売すると発表した。
ヴェナートシリーズは2002年の発売開始以来、累計販売数が170万セットを超える同社の主力製品で、玄関ドア製品売り上げの約95%を占めている。そのなかで同社は、ユーザー好みのデザインを確保しながら風通しや換気、冬場の暖かさが確保できるドアとして新たにヴェナート D30を開発。従来品よりも高い性能・デザインを実現することで、販売を伸ばしていきたい考えだ。
ヴェナート D30ではドアの構造を大きく見直すことで高い断熱性能を確保した。フレームの材質をスチールから樹脂にしたほか、複層ガラスの中空層を12mm厚から15mm厚に変更。これにより断熱グレードD2でU値1.94W/平方メートル・K、断熱グレードD4でU値2.24W/平方メートル・Kを実現、断熱性能を従来品と比べて約12%向上させた。
通風機能を持つドアの強化を図ったのも今回のモデルチェンジの大きな特徴。ユーザーへのアンケート調査や主婦を対象に玄関ドアを選定する際の重要視点などをヒアリングしたところ、通風機能のあるドアのニーズは高い一方、デザインバリエーションが少ないために最終的には標準仕様のドアが選ばれているということがわかった。そこでヴェナート D30では、通風機能をもつドアと標準仕様のドアで同じデザインをラインナップ。非防火・防火ともに12デザインをそろえた。通風機構は内開きで開閉部の角度を40度に制限することで安全性やプライバシーに配慮した。さらに、今回、60万円程度のエクストラデザインも追加、高意匠を求めるユーザーへも訴求していく。
価格は30万円~60万円。ヴェナート D30のためにデザインしたオリジナルリースもオプションとして提案する。堀秀充社長は「飾りひとつでドアの雰囲気は大きく変わる。季節や好みに合わせて玄関を彩ってもらいたい」と話す。
玄関ドアの性能を高め
シェア拡大を狙う
同社はヴェナート D30の売上目標を2年以内に2017年度比で約1.2倍の140億円と掲げている。玄関ドア製品売り上げの95%を占めるヴェナートシリーズのモデルチェンジを機に、玄関ドア全体の販売を伸ばしたい考えだ。「窓に比べて玄関ドアの性能は低い状況にある。玄関ドアでも窓と同等の性能を確保することで、市場でのシェアを拡大したい」と掘社長は話し、今後の製品開発にも意欲的な姿勢を見せた。
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