住宅産業にとって“平成”とは何だったのか

東京大学大学院 工学系研究科建築学専攻特任教授 松村秀一 氏

今こそ“住生活”産業を実体化する必要がある
新しい価値、新たな生き方に対応した産業の構築を

東京大学大学院
工学系研究科建築学専攻特任教授
松村 秀一氏

プレカットが普及しハウスメーカーと工務店の差がなくなった

平成の大きな出来事としては、まずプレカットの普及があげられます。昭和から平成へと変わる頃、ちょうどバブルの頃から始まりました。それにより在来木造住宅の世界が大きく変わり、いわゆる工業化の観点から物事を捉えるようになりました。例えば、集成材が採用されるようになり、木材の乾燥も含めて品質に対する考え方がプレカットを通して変わってきたのです。モノづくりという視点から、大手ハウスメーカーがつくる工業化された住宅と、各地域で工務店がつくってきた在来木造と呼ばれていた住宅との違いがなくなったことが平成の大きな特徴の一つだと思います。


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