日新製鋼、スレート屋根形状の金属屋根材を開発

既存の屋根材と比べ抜群の施工性を発揮

  


日新製鋼は、平形のスレート屋根材と同じ形状の金属成形屋根材「SELiOS ROOF(セリオス ルーフ)」を開発した。スレート屋根材に比べて3分の1の重量を実現。従来の屋根材では実現できなかった自動釘打ち機による施工が可能といった特徴を備え、既存のどの屋根材よりも優れた施工性を発揮する。屋根材市場でも進む職人不足問題を解消する屋根材として注目を集めそうだ。

金属屋根材は、軽量であり、近年、鋼板自体の耐久性も飛躍的に向上していることもあり、リフォーム、新築それぞれの市場で存在感を高めている。一方で、金属屋根材の施工を担う、専門技能を有する板金職人は、高齢化などにより年々減少し、この30 年で半減しているという。将来的に、金属屋根材を採用したいというニーズはあっても、職人を確保できず、施工できないという状況が生まれる懸念も高まっている。

スレート屋根と比べて施工スピードを2割アップ

こうした中で、日新製鋼は、より施工性の高い金属屋根材の開発に取り組み、「SELiOS ROOF(セリオスルーフ)」の製品化に成功。安定生産できる目処をつけた。

製品内部に、優れた断熱性能を発揮する発泡ヌレート樹脂を採用し、合金メッキ鋼板「セリオスプライム」と、専用の裏面材で覆い、スレート屋根材と同じ形状に成形する。一般的なスレート屋根材の厚みや長さ、幅と同じであり、既存のスレート屋根材と同じように施工できる。SELiOSROOF1枚あたりの重量は約1kg。スレート屋根材と比べて約3分の1とこれまでにない軽量化を実現した。

軽量化によりに屋根材を屋根の上に上げる荷揚げ作業のスピードアップにも貢献する。通常、スレート屋根材は、1梱包8枚入りで、重量は約27kg。対してSELiOSROOFは、1梱包あたり10枚入りで、重量は約10kg。労働基準法により、女性の重量物運搬の継続作業が認められるのは20kgまでと定められており、スレート屋根材(梱包27kg)の荷揚げ作業は断続作業で対応することが求められる。勾配屋根場で女性が運ぶのはかなりの負担になる。対して、1梱包あたり約10kgのSELiOSROOFは、女性でも継続作業で扱える。

また、1坪あたり約20枚のスレート屋根材が必要になるが、SELiOSROOFでは、2梱包ジャストで1坪分の屋根材を施工可能で、端数が生じず、より扱いやすくなる。

さらに、優れた強度性能も備え、自動釘打ち機で施工できるという特性も付与した。従来から施工性に定評のあるスレート屋根材だが、自動釘打ち機で施工すると、釘打ちの衝撃からスレート屋根が破損する懸念があるため、手で釘打ち、あるいは、専用のドリルで下穴を開けてから手で釘打ちする必要がある。

「軽量化、自動釘打ち機での施工が可能になったことなどにより、従来の屋根材と比べても、SELiOS ROOFの施工スピードは最も早い」(同社)。同じ条件下で、スレート屋根材、ハゼ締めタイプの金属屋根材、粘土瓦、SELiOSROOFの施工スピードを同社が検証したところ、スレート屋根が1、ハゼ締めタイプの金属屋根材が2、粘土瓦が3であったのに対して、SELiOS ROOFは0・8。スレート屋根材と比べても約2割施工スピードの向上が期待できることがわかった。

開発に携わった同社グループ開発本部 塗装・構造部材研究所 建材・構造設計開発チームの太田祐吾チームリーダーは、「今後ますます職人不足は深刻化し、工務店などにとって、建築費全体に占める労務費の上昇が大きな負担になるリスクがある。特別な技能を持たない方でも、女性や外国人労働者でも負担なく、スピーディーに施工できる金属屋根材としてSELiOSROOFを訴求していきたい」と話す。

日新製鋼が開発した金属成 形屋根材、SELiOS ROOF。 軽量性、優れた施工性、耐 久性などを武器にリフォー ム、新築市場で注目を集めそうだ
SELiOS ROOFの断面図。独自の構造に
より発泡樹脂入りの金属屋根として、初
めて不燃材料の国土交通大臣認定も取得
した
SELiOS ROOFの形状は、施工性に定評がある一般的なスレート屋根と同じ。一方で重量は約3分の1とこれまでにない軽量化を実現
SELiOS ROOFは、従来の屋根材では実現できなかった自動釘打ち機による施工が可能といった特徴を備える

不燃材料認定も取得
準耐火構造建築で採用しやすく

SELiOS ROOFでは、製品内部に発泡ヌレート樹脂を採用し、合金メッキ鋼板などで覆う独自の構造を採用した。これにより高度な耐久性に加え、断熱性、遮熱性、防音性も発揮する。

特筆すべきは、発泡樹脂入りの金属屋根として、初めて不燃材料の国土交通大臣認定も取得したこと。不燃材料の屋根下地材などと組み合わせることで、準耐火構造の建築物などで容易に採用しやすくなる。

同社では、既存の金属屋根と同様、カバー工法に対応していること、さらに既存の金属屋根を上回る施工性を備えていることを売りにすることで、今後拡大が期待されるリフォーム市場を中心に、SELiOSROOFの普及拡大を目指す。「施工者を選ばないため、大工でも簡単に施工できる。過去に手がけた既存住宅の屋根をリフォームするといった提案も強化しやすくなる」(同社)。

2019年7月から日新製鋼建材が製造・販売を開始する予定だ。

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