“気候変動”にどのように向き合うのか
今号の「2018年の重大ニュース」をまとめていて、つくづく思うのが「気候変動」への対応の重要性だ。
1~3月の豪雪では各地で記録的な積雪となり、観測史上最大を記録した場所もある。集中豪雨や台風の影響により、多くの地域で観測史上最大の降水量を記録、全国55地点で最大瞬間風速が観測史上最大となった。また、猛暑のなかで41.1℃という日本歴代最高気温を更新し、アメダスの927観測地点のうち202地点で観測史上最高気温を更新した。
「観測史上最大」「観測史上最高」のオンパレードである。
「異常気象」という言葉があまり使われなくなった気がするが、何かおかしくなっていると多くの人が肌で感じているのではないだろうか。
今年6月に「気候変動適応法」が公布となった。温室効果ガスの排出削減対策(緩和策)と、気候変動の影響による被害の回避・軽減対策(適応策)を両輪とし、法的に位置づけることで対応策を強く推進していく。
同法に基づき、施策の総合的かつ計画的な推進を図ることを目的とする「気候変動適応計画」が11月に閣議決定された。政府、国民、事業者など関係者の具体的な役割を明確化するとともに、「あらゆる関連施策に気候変動適応を組み込む」など7つの基本戦略を示した。
また、気候変動適応に関する分野別施策も示しているが、自然災害分野では住宅産業にかかわるものも多い。例えば、今世紀末には洪水を起こしうる大雨が現在に比べて1~3割増加する可能性が指摘されるなか、まちづくり・地域づくりと連携した浸水軽減・氾濫拡大の抑制などに取り組むとしている。
今、住宅産業界ではレジリエンス住宅への取り組みが進む。従来の耐震など構造躯体の性能だけでなく、幅広い視点から住まいのシェルターとしての役割を見直し、レジリエンス(しぶとさ、強靭さ、回復力)を目指すものである。 洪水や高潮、土石流といった災害を考えると住宅一戸だけの対策にはとどまらない、まちづくりや土地の利用の仕方まで含めた取り組みが求められよう。住宅産業は“気候変動”にいやがおうにも向き合わなければいけない時代を迎えている。

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