2018.12.10

多様なデザインのフローリングが続々登場

ブランド価値向上、他社との差別化で販売拡大へ ニーズに応えメーカーの製品開発が進む

住空間にこだわりを持つ人が増えるなか、フローリングで個性を表現したい、理想のものを使いたいというニーズが高まっている。ニーズに応えるようにして、メーカー各社からデザイン性の高いフローリングの新商品が続々発表されている。

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矢野経済研究所の住宅用床材の採用比率に関する実態調査を見ると、木質系床材の採用率は戸建住宅、集合住宅ともに7割を超えている。耐水性が求められる洗面・脱衣所やトイレなどで、表面にオレフィンシートなどを張った木質系床材が浸透してきていることが採用比率を高めている。高い機能を確保したフローリングが増えるなか、フローリングで個性を表現したいというユーザーのニーズも高まっている。

フリーダムアーキテクツデザインの新築物件購入者を対象にしたアンケート調査では「新居の床材を決める際に重視したのはコストと材質どちらか」という質問に約6割が材質と回答した。空間のなかで大きな面積を占めるフローリングにこだわる人が増えている。

人気ブランドのラインナップ拡充
ファンを増やし「指名買い」を狙う

こうしたユーザーニーズに応えようと、メーカーからはデザイン性の高い床材が続々発売されている。永大産業は今夏に銘木の良さを生かした人気のフローリングブランド「銘樹」に新たに「銘樹ヘリンボーン」を追加することで、多様化するニーズに応えている。

銘樹は、表面化粧材に銘木の突き板・挽き板を使用した複合フローリング。厳選した7種類の高級銘木をできるだけ着色をせずに表面化粧材に使用することで、樹種がもつ意匠性や素材感を表現している。

銘樹ヘリンボーンには、表面に重厚感と木の温もりを感じることができる挽き板を採用。クラシカルな模様に銘木独特の風合いをプラスすることで、これまで以上に高いデザイン性を表現している。

表面には重厚感と木の温もりが堪能できるよう、厚さ約2mmの挽き板を採用。2方向の寄木が日差しや照明を拡散、躍動感や華やかさを演出する。

樹種にはナチュラルな風合いのレッドオークなど4樹種を用意することで、幅広い空間づくりを可能にした。

同社は「銘樹はユーザーからも高い評価を得ている。こだわりの住宅づくりを行う顧客にも自信を持って勧められる。銘樹ヘリンボーンの追加で、銘樹全体の売上を前年度比130%にしたい」と話す。

朝日ウッドテックは今秋に2万坪/月を販売する人気の高機能複合フローリングLiveNaturalプレミアムのラインナップを拡充し「MOMENT」の販売を開始した。LiveNatural プレミアムには木の無垢材を厚さ2mmの挽き板に加工し表面化粧材に使用することで、高級無垢フロアとそん色のない素材感、質感を付与している。

LiveNatural プレミアムの良さを活かしながらMOMENTでは色を付けながらも素材の風合いを残すため、表面に特別な顔料を塗布し乾かしたうえで表面を削り取る作業を複数回繰り返して色を重ねる独自の新技法「チョークドスクラッチ加工」を採用。

透明感を失わずに奥行きのある色味をつくり出すとともに、無垢材挽き板の魅力である木味をより豊かに表現する。

カラーには空間づくりが多様化するなかでもあらゆる家具にマッチするホワイト、生成り、グレーの3色をラインナップ。日本ではまだあまり多くない道管着色系挽き板床材だが、マーケティング部プロモーション推進室の西村公孝室長は「MOMENTの販売をきっかけに市場をつくっていきたい」と話す。

販売開始後、半年で3000坪/月、将来的には同社が販売する他の着色系床材と合わせて1万坪/月の目標を掲げる。

永大産業は銘樹ヘリンボーンに厚さ約2mmの挽き板を採用。2方向の寄木が日差しや照明を拡散、躍動感や華やかさを演出する
朝日ウッドテックのMOMENTでは透明感を失わずに奥行きのある色味をつくり出すとともに、無垢材挽き板の魅力である木味をより豊かに表現している

ニーズの高まりに対応し床材製品を一新も

自分好みのインテリア空間をつくりたいと考える人が増えていることを受けて、パナソニックエコソリューションズ社は、床材製品を一新することを発表した。12月3日よりフレンチヘリンボーンやスクエアブロックデザインなどを揃えた「アーキスペック」と、耐久性に優れたハードコートタイプやマンション用直貼りタイプなどを揃えた「ベリティス」の2シリーズを販売する。それぞれに突き板仕上げとシート仕上げを揃えた。

突き板仕上げには、同社が独自開発した木質エイジング技術による「マイスターズ・ウッド」を採用。角材の段階で特殊な水熱処理を施すことにより「木目」、「色彩」、「照り」をコントロール、天然木の良さを最大限に引き出している。光のあたる角度や見る位置によってさまざまな表情をつくり出す。11タイプ93種類の色柄を用意した。

シート仕上げでは、高い印刷技術を用いることでエンドユーザーが理想とする木目柄や石目柄などを表現している。303mm幅の溝の無い「ワイドウッド」など7タイプ67種類から空間のテイストや好みに合わせて選ぶことができる。

ハウジングシステム事業部建築システムビジネスユニットビジネスユニット長の倉本知典氏は「床材に加えてシステム階段やアルミオープン手すり、連続手すりにも新製品を投入していく予定。より幅広いインテリアスタイルに対応していきたい」と話す。2020年の床材製品の売上を2017年比1.3倍にしたい考えだ。

メーカーによるさまざまな工夫で、フローリングのデザイン性を高め住空間の個性を表現するアイテムとして提案する動きが加速している。ブランド価値を高め、差別化を図る狙いがそこにはあるが、フローリングは使用する面積が大きいため空間づくりに大きく影響する。「ユーザーに選ばれるには清掃性などの機能に加えて、メーカーならではのデザインやカラー展開が必要になる」とパナソニック エコソリューションズ社の倉本氏。フローリングの製品開発の動きはますます活発化していきそうだ。

床材製品の一新を発表したパナソニック エコソリューションズ社は「アーキスペック」と「ベリティス」の2シリーズを12月3日より販売

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