2018.11.15

(一社)国際建築住宅産業協会が設立 政官民一体で海外の住宅・都市整備を支援

海外事業展開のチャンス拡大も期待

(一社)国際建築住宅産業協会が設立された。海外諸国の建築・住宅産業の発展に向け、政官民一体で情報収集・交換、交流関係の育成などを図り住宅・都市整備を支援していきたい考え。


(一社)国際建築住宅産業協会(JIBH)が設立された。日本と密接に関係する海外諸国の建築・住宅産業の発展に向け、日本の建築・住宅に関連する産業界として協力して関係国との建築・住宅に関する幅広い情報の収集、交換を行うほか、関係国の建築・住宅産業界との健全な交流関係の育成を図りながら住宅・都市整備などを支援することで、友好親善関係の促進に寄与してきたい考え。これまで関係各機関がそれぞれ行ってきた国際交流を一元的に運営・実施し、一層機動的な活動を展開する。同協会発足時には、ハウスメーカー、建材・設備メーカーなど37社が参画。会長には、住友林業代表取締役会長の矢野龍氏が就任。(一財)日本建築センター理事長の橋本公博氏が顧問を務める。矢野会長は、「政官民が一体となり日本の住宅・都市開発の知見を要請のあった相手国に提供し、貢献していきたい。国土交通省などが中心となり、建築基準法や建築・住宅に関連する金融支援制度などの情報提供も行っていく。協会のメンバーの知見を集め、相手国の事情に合った支援を行っていきたい」と述べた。

すでにミャンマーでは、2014年から日本・ミャンマー住宅都市産業協議会(JMHU)が中心となり住宅・建築分野のインフラ整備を支援するパイロットプロジェクトを展開。ミャンマーの建設関連企業の団体であるミャンマー建設協議会と連携し中低所得者向けアパートを建設した。ミャンマーにおける建築技術の向上を目指すことを目的に、施工管理、施工などを技術指導したほか、日本製品の品質や技術力を紹介する目的で住宅部品、設備などの部品供給を行った。JMHUは2019年3月までに解散する予定で、JIBHが事業継承する。

政官民一体で住宅関連のノウハウを提供

JIBHの活動を通じて相手国との良好な関係を築くことができれば、国内の住宅関連事業者などが海外で事業展開するチャンスも広がりそうだ。住宅・建築に関する法制度などが未発達な国に対して、政官民一体で日本の住宅・建築に関する知見などを提供することで、将来的にそれらが反映された形で市場環境整備が進めば、日本の住宅事業者などが市場参入しやすくなる。こうした業務は、民間企業単独ではカバーしきれないものであったが、JI B H のような政官民が一体となった受け皿があることでカバーしやすくなる。日本の住宅関連事業者など海外進出のチャンスを広げる重要な役割を担う組織として期待が集まりそうだ。

(一社)国際建築住宅産業協会の設立総会で「政官民が一体となり、日本の住宅・都市開発の知見を要請のあった相手国に提供し、貢献していきたい」と話す矢野会長