2018.10.30

(一社)環境共生住宅推進協議会 フェノロジーガイド作成ツールを開発

地域の気象条件や自然環境、年中行事を簡単に整理

(一社)環境共生住宅推進協議会は、パッシブデザインを活用した住まいづくりのために、地域の気象条件や自然環境、年中行事などを総合的に把握できる「フェノロジーガイド作成ツール」を開発し、販売を開始した。

パッシブデザインを採用した住宅を検討する場合、建設予定地の気象条件や自然環境などを把握することが求められる。地域の年中行事や歴史なども考慮することで、入居後のコミュニティ活動まで踏まえた住宅のあり方を考える必要もある。

こうした地域の情報を整理するツールとして、フェノロジーガイドがある。フェノロジーガイドとは、住宅建設地の気温、湿度、降水量、日照時間、風速、風向といった気象条件と、植物や生物といった自然環境、祭などの年中行事を月ごとに“暦” のなかに重ねて表示するものだ。

フェノロジーガイドを作成することで、地域の気象条件や年中行事などの情報を分かりやすく整理することができる。加えて、施主にプランなどを提案する際の説明資料にもなる。地域の気象条件などをもとに検討したプランであることを示すことで、施主への訴求力も高まるだろう。

住宅計画の「プレデザイン」を行ううえで重要な役割を担うフェノロジーガイド
(一社)環境共生住宅推進協議会は、フェノロジーガイドを簡単に作成できる作成ツールを開発し、販売を開始

簡単なパソコン操作で自動作成

しかし、フェノロジーガイドを作成するためには、通常、様々な情報を収集し、その情報をひとつの“暦”へとまとめていく作業が必要になる。この作業がフェノロジーガイドを作成する上でのハードルとなっている。そこで、(一社)環境共生住宅推進協議会では、フェノロジーガイドを簡単なパソコン操作で自動作成できる「フェノロジーガイド作成ツール」を開発し、CD-ROMによる販売を開始した。価格は5,000円+税。

この作成ツールは、気象庁のホームページ上にある地域の気象データを活用し、より簡単にフェノロジーガイドを作成できるもの。気象庁のホームページから当該地域の気象条件のデータをダウンロードし、プログラムを実行すると自動でフェノロジーガイドが完成する。また、年中行事などについては、市町村がホームページで提供している情報などを利用しながら、エクセルファイルにまとめると、そのデータを用いてフェノロジーガイドのなかに月ごとの年中行事などを掲載することも可能だ。

住宅計画を立案するうえで、地域の気象特性などを踏まえたプレデザインを行うことが今まで以上に重要になってきている。プレデザインを行うことで、地域の風の流れや温度・湿度などを踏まえながら、より快適な住環境を創造できるだけでなく、地域固有の住文化などにも配慮できる。

同協議会では、これまでも「環境共生住宅 早わかり設計ガイド」、「H28年省エネ基準を満たすためのお勧め建材ガイド」、「ESHパッシブデザインツール」などを開発しており、「フェノロジーガイド作成ツール」との連携を図りながら、総合的に環境共生住宅の推進を図っていきたい考えだ。