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野村不動産ホールディングス 複合開発で“コミュニティを核に”の新方針

人・企業・学校つなげる新拠点 エリアデザインを付加価値に

野村不動産は今後行っていく大規模複合開発で、コミュニティを核にしていく新たな方針を打ち出した。開発地内外の人・企業・学校をつなげるための新拠点を設置、自ら保有して地域に無償で提供する新たな仕組みも導入する。

野村不動産ホールディングスは大規模複合開発で新方針「BEUNITED構想」を打ち出した。横浜市で開発中の分譲マンション(総計画戸数1320戸)、サービス付き高齢者向け住宅、健康支援施設、複合商業施設、地域貢献施設などの大規模複合開発「プラウドシティ日吉」を初弾とし、今後、東京都の亀戸や池袋、板橋などで新方針に基づいた開発を行っていく予定だ。

「BE UNITED構想」は社会課題に向きあった開発を標榜するものであるが、不動産開発と大きく関わる日本の社会課題の一つに地域コミュニティの希薄化がある。このため、今後、野村不動産ホールディングスでは「BE UNITED構想」に基づき、地域コミュニティの活性化に特に重点を置いた開発を行っていく。

野村不動産の宮嶋誠一社長は「野村不動産では社会課題をリスクとは考えていない。しっかりと向き合うことで、むしろチャンスになる」と話す

コミュニティ拠点を自ら保有
マネジメント組織に無償提供

具体的な取り組みの一つが、地域コミュニティづくりの拠点「ACTO」を設けること。マンション居住者だけでなく、地域の個人・法人も含めて、地域のつながりを創出する。「プラウドシティ日吉」では、分譲マンションの一部などを活用し600平方メートルを超える大規模な「ACTO」を設ける。

ポイントは、管理組合ではなく野村不動産が「ACTO」を保有する仕組みを採用していることだ。マンション管理組合の中には共有部などを活用しコミュニティづくりに取り組むところもある。だが、必ずしも全ての管理組合がコミュニティづくりに積極的に取り組むとは限らない。このため、野村不動産が「ACTO」を保有することで、コミュニティづくりを野村不動産が主導するようにする。

一方で、「ACTO」の使用権については、マンション管理組合・地域住民・地域企業・野村不動産などからなる非営利型の一般社団法人を設立し、そこに無償で提供する仕組みをとる。一般社団法人がエリアデザイナーとして、「ACTO」を運営、地域コミュニティの活性化を図る様々なイベント等の取り組みを行う。

多くの管理組合では外部の事業者に運営を委託して、コミュニティづくりの活動を行っている。だが、委託コストが負担となるためコミュニティづくりの活動に積極的でない管理組合も多い。一方で、今回の仕組みを使えば、管理組合はコストを掛けて外部の事業者を雇うことをせずに、コミュニティづくり活動が可能になる。しかも、マンション内外のプレイヤーで構成される一般社団法人を通じて、マンション外の地域も含めてコミュニティづくりに取り組める。

さらに、「ACTO」には、野村不動産の社員を地域の人をつなぐ主導的な役割を果たす「エリアデザイナー」として配置する。エリアデザイナーは、マンションの居住者・地域の人・企業・学校などのニーズをヒアリングし、プレイヤーのつながりをサポート。これまでよりも一歩進んだコミュニティづくりの取り組みを目指す。

「BE UNITED構想」の第一弾は、横浜市で開発中の分譲マンション(総計画戸数1320戸)、サービス付き高齢者向け住宅、健康支援施設、複合商業施設、地域貢献施設などの大規模複合開発「プラウドシティ日吉」
「プラウドシティ日吉」内の分譲マンションでは、床から天井までの約2.4mの大開口を設け、気持ちの良い空間を創出

街びらき前から活動開始

また、「BE UNITED構想」では、街開き前から周辺地域との交流ネットワークの形成を目指す。第一弾としてプラウドシティ日吉では、敷地の一部を活用し、地域の交流拠点「吉日楽校」をオープンさせており、グッドデザイン賞ベスト100にも選ばれている。

これまで、慶應義塾大学の学生とデータサイエンスを活用して早く走れるようになるスポーツ教室や、JA横浜と野菜などを販売するマルシェを実施するなどの取り組みを行っている。

このほか、コミュニティ活動やイベントの情報発信など、地域の掲示板機能を果たす情報発信サイト「街サイト」も提供していく。様々な開発地のACTOとつなぎ、コミュニケーションを広げていくことも検討。

これまで、デベロッパーが建物の一部を保有したり専任人員を置いてまで、分譲後のコミュニティ作りに積極的に関わるケースはあまりなかったと言っていい。建物の一部を保有すれば開発の利益率は落ちる。専任人員をおけばコストが掛かる。だが、今回、野村不動産はこのように身を削ってでも「BE UNITED構想」でコミュニティを重視する方針を打ち出した。それは、今後の大規模複合開発でコミュニティが大きな付加価値になると見通しているからだ。

大規模な複合開発は地域に新たな風を吹き込む。さらに、「BEUNITED構想」では、開発地内外の連携を促すことで、これまでより大きな地域のコミュニティづくりが可能となり、地域の活性化が見込めそうだ。コミュニティが衰退し元気がなくなっている地域が多いだけに、「BE UNITED構想」のような取り組みは、注目を浴びそうだ。

コミュニティ活動やイベントの情報発信など、地域の掲示板機能を果たす情報発信サイト「街サイト」も提供。専用アプリを通じ、地域の人はスマートフォンから施設の予約などを行える。加えて、マンション居住者は居室内のIoT機器を操作可能
野村不動産ホールディングスでは、「BE UNITED構想」に基づき、「ACTO」の取り組みを東京都の亀戸や池袋、板橋などでも行っていく予定だ

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