2018.10.5

岡部、進化する木造建築を建てやすく 高性能・高品質な柱脚金物を開発

特殊な座金とリングでアンカーボルトの施工誤差を吸収

岡部は、中大規模木造建築にも対応した高耐力柱脚金物「ピタットベース」を開発した。特殊な座金とリングを合わせることで、アンカーボルトの施工誤差を±15mm吸収する機能を付与した。木造建築の柱脚の品質向上と施工性を設計者などにアピールしていく。

近年、様々な建物の木造化が進むなか、木造建築物の接合部も進化(高耐力・高品質)を続けている。また、建築物の構造安全性・施工性を確保するには、基礎部との接合部である柱脚部も重要な要素のひとつである。しかしながら、その柱脚金物の施工では、金物に設けられた孔が、基礎のアンカーボルトの位置と合わないことがある。その際、アンカーボルトを曲げて位置合わせをするとアンカーボルトが耐力低下を起こし、建物の安全性を損なう懸念があった。「中大規模木造市場への注目度が高まる中で、構造材や梁受け金物など、上ものの性能は飛躍的に向上しているのに比べて、これまで柱脚や基礎部の開発は進んでこなかった」(岡部)という。

こうした課題を受けて、岡部は、木造建築の柱脚部の施工性と品質向上を追求した「ピタットベース」を開発し、販売を開始した。ピタットベースの最大の特長は、2つの鋼製のリングと2つの座金を合わせることで、±(プラスマイナス)15㍉以内のアンカーボルトの施工誤差を吸収する機能を持たせた。これにより施工手間をかけずに、高耐力の性能を確保することが可能である(短期許容引張耐力60kN、短期許容せん断耐力20kN、短期許容圧縮耐力102kN)。また、金物の形状には、断面を小さくする部分を設け、その部分が伸びることで靱性の効果も期待できる。

ピタットベースは、2つの鋼製リングと2つの座金により、±15mm以内のアンカーボルトの施工誤差を吸収する機能を持つ
ピタットベースを使用すると、従来のようにホールダウンと金物などが干渉し合うことはなく、断熱材などをスッキリ納められる

柱内部に柱脚金物を一体化
接合部の納まりをスッキリ

さらに、従来の柱の側面に設置するホールダウンでは、ホールダウンと金物などが干渉し合い、納めにくいという課題があった。ピタットベースでは、柱の内部に柱脚金物を一体化する形状を採用することで、接合部・断熱材をスッキリ納められるように配慮した。加えて、第三者検査機関であるハウスプラス確認検査の性能評価書も取得。

同社では、「ピタットベースを使用することで中大規模木造建物の安全性をより高いレベルで確保できる」として、中大規模木造を手がける設計者などに対して提案を強化していく方針だ。

岡部株式会社 木造戸建部材グループ
03-3624-5401
https://www.okabe.co.jp/