酷暑を乗り切りつつある今

この夏の暑さは尋常じゃなかったし、台風や洪水の被害も大きかった。熱中症で児童が亡くなるなど、痛ましい事件も起きた。これは単なる今年だけの異常気象だったのか、これからも続いていく傾向のものなのかは何ともわからないが、地球温暖化、あるいは気候変動の一部であると考えるのはごく自然なことのように思う。このため、現代人は二酸化炭素の排出を減らしていかなくてはならないし、それを加速させる必要があるだろう。そのために幾つかのキーワードがあるので、その解説をしていく。

「SDGs」

2015年に国連で採択されたSustainableDevelopment Goals(持続可能な開発目標)のこと。17の目標と169のターゲットからなっている。目標を順に見ていくと、1.「貧困をなくそう」2.「飢餓をゼロに」3.「全ての人に健康と福祉を」4.「質の高い教育をみんなに」5.「ジェンダー平等を実現しよう」…と続く。そして、7つめに「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」と、エネルギー関連のことが出てくる。建築や都市に関わることも9.「産業と技術革新の基盤をつくろう」11.「住み続けられるまちづくりを」13.「気候変動に具体的な対策を」15.「陸の豊かさを守ろう」と出てくる。

SDGsの目標同士は互いに関連し合っている。貧困、飢餓、教育は直接に戦争の原因になるが、その次には豊かに暮らすことが求められる。それがまさにエネルギーのかからないエコハウスやエコタウンだったりするのだ。

国際連合広報センター 持続可能な開発目標(SDGs)HPより

「ESG投資」

E:エネルギー、S:社会、G:ガバナンスに対する投資のことで、最近増え続けている。ESG投資は機関投資家が率先して、地球環境や温暖化に対する危機感からなんとか地球温暖化を止めようというものである。年々、投資が増えている現在、単なる社会に良いことであったエネルギーの問題が実利をともないはじめたということだ。

「RE100」

事業運営に必要な全てのエネルギーをRenewable energy (再生可能エネルギー)100%で賄うという目標に賛同し加盟する組織。世界ではアップル社を筆頭にナイキ、イケアなどが加盟している。日本では、リコー、丸井グループなどが加盟している。海外では再生可能エネルギーコストは安いのだが、日本のそれはまだ高い。

日本では固定価格買取制度を利用した発電はRE100の条件を満たさないとされてきたが、2019年に固定価格買取制度が終了する家庭が出てくる。このため、今後は固定価格買い取り制度の終わりつつある太陽光発電の売電で賄うなど、様々な可能性があって、これから始まると言った状況である。

一番重要なことは、環境的に良いことをすることが、世界の中で投資を受けやすくなる状況をもたらし、安定した成長分野でもあるということ。走り出したら社会は加速していく。環境と経済の目指すべき価値は対立するものではなく、共に同じ方向に向かっていくのである。

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ハウジング・トリビューンVol.619(2021年8・9号)

特集:

パンデミック後の住産業

コロナ感染拡大の第一波から1年が過ぎた。
特に緊急事態宣言下で、仕事や暮らしが一定の制限を受け、社会そのものが大きく変わらざるを得ない状況が続いている。
こうした変化を受け、住生活でも大きな変化が起こり、新たなニーズが生まれている。
パンデミックで何が変わり、何が変わらないのか。
この一年の変化と、これからを探った。

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