よそ者、若者、古参が仕掛ける業界革新

短期連載「メイク・住宅産業・グレイト・アゲイン」【第1回】

住宅産業は成熟産業だという見方がある。新築戸建ての減少が止まらない、中長期的な市場拡大は見込めないからと。しかし海外では別の風景が見える。人口増と人口の都市集中で、大規模な住宅需要が途上国や新興国で生まれている。都市住民の所得水準は日本人に匹敵する。欧米では、単身世帯と高齢者の増加に対応したリノベーションや新築の需要が旺盛だ。都市における住宅需要の拡大は、大規模商業施設の新設需要も喚起する。民泊ブームに対応するためホテル業界も変わり始めた。デジタル技術を核とする「スマート化」の波とも連動する。住宅を含む不動産業界は量的にも質的にも激変期に入った。世界最大の不動産見本市MIPIM(仏カンヌ)から報告する。

世界最大の不動産市で、業界激変の予感

「万引き家族」が最高賞の「パルムドール」に輝いたカンヌ映画祭(5月)。同じ会場でMIPIMは毎年3月に開かれる。映画祭よりも大量のシャンパンが抜かれる不動産見本市としても知られる。出展者は都市と不動産関連の企業3000社余り。万博のように、国、地域ごとに展示館やブースが設けられ、地域の名物料理をつまみながら各地の不動産を見て歩く。昼間からシャンパンを片手に、市長や社長のプレゼンを聞き、商談が行われる。停泊中の豪華ヨットで会合する企業もある。


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