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家具販売のEC化が加速 ネット専業、大手企業などが注力

異業種の参入も相次ぐ

近年、家具の通販市場が急速な成長を遂げている。自宅でも気軽に購入できることや、幅広い製品やデザインについて簡単に調べられることが魅力で、暮らしや空間づくりを楽しむ若い世代から好評を得ている。ファッション業界からの参入や、実店舗を持たないECに特化した企業などの存在で、今後、市場はさらなる盛り上がりを見せそうだ。

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アパレル業界や家電業界など、あらゆる分野でEC化が進むなか、家具販売のECサイトについても新たな動きが目立ってきている。例えば、実店舗を持たずにネット販売のみに特化した企業が登場してきている。

ネット専業家具ブランド「LOWYA(ロウヤ)」を運営するベガコーポレーション(福岡県福岡市、浮城智知代表取締役社長)は、2004年からLOWYAをはじめ、ネット専業でコンセプトに応じた全6つのショップを展開している。家具輸入商社での営業経験があった浮城智知代表は、在庫を持たないドロップシッピングという販売方法で事業を展開。「ネット販売=価格が安い」というユーザーのイメージに合わせて値段を安く設定し、実店舗をもたないことでコストや低価格化などを実現、EC専業で2016年には売上高100億円を突破している。商品の企画から物流に至るまで一気通貫で行っているのが強みのひとつだ。さらにユーザーの約7割がスマートフォンからアクセスしていることからスマートフォンアプリも自社開発している。

家具・インテリアのネット専業サイトを運営するフライミー(東京都武蔵野市、坂本如矢代表取締役社長)も実店舗をもたずにECサイトのみで家具やインテリアなど400以上のブランド、2万点以上の商品を提供している。同社は「多くの家具は実際に展示される数が限られるためユーザーに届いていない。様々な商品に出会える場所をつくりたかった」とECに着目した狙いを語る。

「無色透明の箱」をコンセプトに、あらゆるブランドが共存できるよう色を出さないサイトづくりを展開している。さまざまなブランドの家具をひとつのサイトで検索・購入できることが強みで、設計事務所など法人の利用も多い。サイトではブランド検索に加えてテーマやインテリアコーディネートなど多様な検索方法を用意。システムの開発からデザイン制作、カスタマーサポート、配送、商品説明までを内製化することでスピーディな対応が可能だ。

2015年に黒字に転じてから売上は年々倍増している。利便性の向上を目的に年末にサイトのリニューアルを行うとともに、需要が高まっている法人向けの対応も強化。知られていないインテリアの価値を多くの人に届け業界発展に貢献したい考え。

ベガコーポレーションは、ネット専業でコンセプトに応じた全6つのショップ展開。スマートフォンアプリも自社開発している
ECサイトのみで家具やインテリアなどを提供するフライミーは「無色透明の箱」をコンセプトに、あらゆるブランドが共存できるよう色を出さないサイトづくりを展開

大手インテリア企業もECサイトでの販売を展開

大手家具メーカーもネット通販市場の拡大を受け、ECサイトでの販売を進めている。たとえば洗練された北欧デザインの家具を低価格で提供するスウェーデン発の家具量販店「イケア」は、昨年4月から本格的に通販での販売を開始している。店舗に行くことのできないユーザーへの利用を視野に入れたもので、商品は全国にある10店舗から発送する。そのため店舗の配送可能な範囲が対象エリアとなるが、現時点で一部離島を除く日本全国で利用が可能だ。ウェブサイトで購入した商品は配送もしくは店頭受取が可能。開始から1年、ユーザーの利用は増加傾向にあるという。

ニトリホールディングスは実店舗と平行して長年ネット販売も展開してきたが、近年のネット通販の伸び率から、オンラインショップと店頭の連携を強化している。2016年7月にEC商品の店頭受取サービスを導入したほか、昨年6月には店頭商品のバーコードをスマートフォンでスキャンすることで注文と発送手続きが行える「手ぶらdeショッピング」を開始した。ユーザーから好評を得ており、昨年3月~11月期における通販売上高は前年同期比33.2%増の220億円にものぼる。

昨年4月から本格的に通販での販売を開始したイケア。一部離島を除く日本全国で利用が可能だ

ユーザーのEC利用率の増加で異業種の参入も活発化

家具のECサイトの増加、利用率の拡大を受け異業種の参入も増えている。グリーの100%出資子会社でインターネットメディアの企画・開発を行うセカイエは家具のネット通販「リノコショッピング」の提供を昨年より開始した。ソファやベッドなど約1000点の家具が購入でき、別途追加手数料を支払えば組み立てのほか古い家具の引き取りサービスも行う。「低価格でデザイン性のある家具が欲しい」といった声が寄せられていたことを受け、サービスをスタートさせた。

セカイエはオンラインリフォームサービス「リノコ」も運営している。ユーザーはリノコでオンラインリフォームを申し込み、リフォーム完了後にはリノコショッピングで家具も新調できる。リフォームから新生活のスタートまでサポートが可能だ。

また、靴とファッションの通販サイト「LOCONDO.jp」を運営するロコンド(東京都渋谷区、田中裕輔代表取締役社長)も昨年9月より送料・組み立て無料の家具ECサイト「LOCONDO HOME(ロコンドホーム)」をLOCONDO.jp内にオープンしている。ロコンドは「買ってから選ぶ。」をコンセプトに、送料・交換・返品無料のサービスを展開。家具に加え、リビングやダイニング、キッチンなどのインテリア商品5000点以上を取り扱い、メーカーから商品を直送するサービスも提供する。

ロコンドの利用者の多くが20代~30代の女性であることから、EC事業拡大の一環として出品を決めた大塚家具は20~30代女性をターゲットに30万円以下の価格帯のソファ、ベッドなどを出品。ネット販売を強化することで、売上拡大を狙う。

ロコンドの家具ECサイト「LOCONDO HOME」では大塚家具が20〜30代女性をターゲットに30万円以下の価格帯のソファ、ベッドなどを出品

経済産業省の調査によると、2017年の日本国内のEC市場規模は16兆5054億円で前年比9.1%増となり、2010年から市場規模は拡大を続けている。なかでも好調なのが物販系分野で市場規模は8兆6008億円(前年比7.5%増)となり、さらにその中でも雑貨や家具、インテリアの分野は1兆4817億円(前年比9.8%増)と他の分野に比べて伸びている。ネット専業企業や大手企業の取り組み、さらには異業種からの参入といった最近の動きを見ていると、今後、家具販売のEC市場がさらに拡大しそうだ。

さらに言うと、家具を販売するECサイトでは、キッチンやフローリングなどの住宅設備・建材まで販売するものも少なくない。それだけに、家具販売のEC化の進展とともに、若年層を中心としたインテリアにこだわりを持つ消費者が、家具を選ぶ感覚で住宅設備・建材をECサイトで購入するケースが増えるかもしれない。そうなると新築やリフォーム時の設備・建材の選択方法が様変わりする可能性も出てきそうだ。

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ハウジング・トリビューンVol.631(2021年22号)

特集:

2030年住宅への設置率6割は可能か
初期費用、条件不利地域へのソリューション

国は2030年に住宅での太陽光発電の設置率6割を目標とする考えを示した。
現状の設置率は1~2割とみられ、非常に高い目標と言える。
100万円以上を必要とする「高額な初期費用」や、十分な発電効率を得るのが難しい「条件不利地域」といった課題があるなか、住宅事業者は設置率6割に向けてどのように取り組んでいけば良いのか──。
住宅太陽光発電マーケットの最前線を追う。

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