バスルームを癒しの空間に リラックス効果を高める工夫が続々登場

質の高い入浴時間の追求に注力

  


さまざまな工夫によりリラックス効果を高め、バスルームを「癒し空間」として提案する動きが加速している。これまでオプションだった付加機能を標準装備にするほか、浴室と洗面室をコーディネートするなど、これまでにない上質な空間提案で販売拡大を狙う。

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日々の疲れを癒す入浴。いかにリラックスできるか、いかにリフレッシュできるか、メーカー各社は長くその追求を続けてきたが、近年、さらにその提案が加速している。スパのような上質な入浴方法の提案や光や風などによる付加価値を高める浴室など、住まいのなかでバスルームの存在価値がさらに高まりつつある。

トクラスが行ったWEBアンケートでは約6割の人が「毎日風呂に浸かる」と回答している。「忙しい」などの理由でシャワーで済ませる人が増えていると言われる一方で、風呂に浸かるという文化は今でも日本人に定着していることがわかる。ライフメディアが全国の男女1000名を対象に行った入浴に関するアンケート調査では、入浴の目的は「体の汚れを落とすこと」「疲労回復」に次いで「リフレッシュ」「リラックス」の回答が多かった。バスルームに癒しを求めるニーズは根強い。

癒し空間としてのバスルームの提案でLIXILは「湯を、愉しむ。時を、味わう。」をコンセプトに、2014年から「肩湯」や「打たせ湯」などの機能を搭載したシステムバスルーム「SPAGE(スパージュ)」を提案している。

スパリゾート施設のような心地よさを自宅で味わうことを目指し開発されたスパージュには、バスタブのヘッドレストから約4mmの厚さの滑らかなお湯が流れ出る肩湯「アクアフィール」を搭載。首から肩にかけて湯をまとうような感覚を味わうことができる。直接頸部を温めることで身体の血流量を増やし、全身を温める。アクアタワーには湯が全身を包み込む「オーバーヘッドシャワー」や肩などの凝った部分に当てると心地よい湯の刺激を楽しめる「打たせ湯」の機能を搭載している。

「湯を、愉しむ」という点ではTOTOは5年ぶりにフルモデルチェンジを行ったバスルーム「SYNLA(シンラ)」に「肩楽湯」を搭載している。水流幅530ミリ、最大約65ℓ/分の湯をバスタブに身体を預けた際の姿勢に合わせた絶妙な角度で肩から浴びることができる。吐水口を弓形にすることでバスタブのデザイン性も確保した。また、ランダムな旋回流で腰に刺激を与える「腰楽湯」も搭載している。腰を中心に広範囲にわたって変化に富んだ刺激を与え、全身を温める。肩楽湯と腰楽湯はそれぞれ3つのモードから強さを選べ、同時使用が可能だ。「究極のリラックスを提供する」(浴室開発部 木村晋部長)。

さらに、基本的にはオプションでの搭載となるが、途切れなく柱状に流れる湯を浴びることで高い温まり効果を得られる「ウォームピラー」も用意している。身体に沿って流れる湯がバスタブに浸かったときのようなリラックス感を演出する。

光と風がつくる自分好みの心地良い空間

バスルームを癒しの空間にするアイテムとして照明の使い方に注力するメーカーが増えている。たとえば、パナソニック エコソリューションズ社の「My Home Resort(マイホームリゾート)」では、LED照明を浴槽の湯面のみにスポット的に照らすことで、お湯が発光しているような幻想的な空間を演出する「水盤LED照明」を採用している。主照明と切り換えることで、露天の月あかりの中で入浴しているような気持ちになれる。露天風呂に入っているような心地よさを目指した。「1/f ゆらぎ・「ナノイー」搭載カビシャット暖房換気乾燥機」で自然に近いゆらぎを持つ爽やかな風を顔や頭に向けて送風すれば、より露天にいるような感覚が増す。

パナソニック エコソリューションズ社の「My Home Resort」。温泉の露天風呂に入っているような心地よさを目指し、爽やかな風を感じられる「1/f ゆらぎ・「ナノイー」搭載カビシャット暖房換気乾燥機」を搭載した

TOTOのSYNLAにも癒しの空間をつくるアイテムとして色を変えることができる「調光調色システム」を搭載している。朝陽の爽やかさをイメージしたリフレッシュモードや、夕日をイメージしたリラックスモードなどからその日の気分に合わせて選べる。

TOTOのSYNLAには「調光調色システム」を搭載。夕日をイメージしたリラックスモードなどその日の気分に合わせて選べる

LIXILも「SPAGE」を今年の3月にモデルチェンジし、従来の機能に加えて新たに調光調色機能付き照明を搭載している。風呂に入る時間帯やその日の気分に合わせて昼光色や電球色を自分好みに切り替えることで、さらなる癒し空間をつくりだす。浴室内に光を取り込む大開口窓を屋外側だけでなくリビング側にも設置できるようにすることで、開放感のある空間づくりも可能にしている。

LIXILは「SPAGE」に「アクアフィール」や「オーバーヘッドシャワー」などを備えることでスパリゾート施設のような心地良さを提供する

トクラスがこの春発売したトクラスバスルーム「YUNO(ユーノ)」も「安らぎやくつろぎを提供したい」(商品企画部 商品プロデュース室緒方彰室長)と、光の拡散を抑えることで高い演出効果をもたらす照明「みなもライト」を搭載している。バスタブの真上に設置されており、水面が揺らぐとその揺らぎが天井にも映し出され、湯に浸かりながら天井を見上げると揺れ動く柔らかい光に癒される。類似機能の照明「アクアライト」が好評だったことから、YUNOでは標準仕様にしている。

トクラスが提案するYUNOではバスタブの真上に「みなもライト」を設置。天井に映し出される柔らかい光に癒される

バスルームの販売拡大へ製品の提案方法もさまざま

バスルームを極上の癒し空間として提案する動きが活発化しているなか、販売拡大に向けメーカーの提案方法も多様化している。

たとえば、ショールームなどで体験入浴や、シャワー体験を行うことで性能の高さやリラックス効果を訴求。また、バスルームと洗面化粧台の機能やカラーを連動させ、ひとつの空間として捉えてセット販売を行うことで販売拡大を目指すメーカーも。

機能性や利便性などの製品性能以外の価値が求められるようになるなか、入浴という行為を通してバスルームを「癒し空間」として提案することで付加価値を訴求するメーカーは増加することが予想される。住まいづくりにおいてバスルームの高付加価値化は今後さらに欠かせないものとなっていきそうだ。

   

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